◎ドラゴンの火で第五元素をあぶり出す
15世紀イギリスの錬金術師にして修道士ジョージ・リプリー作の『錬金術の構成』では、賢者の石の生成過程が、「叡知の城」に至る12の門として描かれている。
まずその1から4。
『1.「煆焼(かしょう)」・・・金属を焙焼して金属灰(calx)にする操作であり、不純物を除去する。
2.「溶解」・・・金属を液状にする操作であり、濃密な状態が希釈化される。それまで金属の内部に隠されていたものが解放されて、液の中に溶け出して来る。原初的なプリマ・マテリアの状態に重なる。
3.「分離」・・・ 四大元素の分離であり、分解した四大元素からその魂である精気(第五元素)が遊離してくる。この過程を進めるために必要なものは、金属の内部にある神秘的な火、即ちドラゴンの火である。
4.「結合」・・・ 分離した対立要素が結びつけられる過程であり、「化学の結婚」と呼ばれる。 女性と男性、水銀と硫黄の結合であり、この場面は両性具有の図版で描かれている事が多い。』
(図説錬金術 / 吉村正和/ 河出書房新社P12から引用)
1.「煆焼(かしょう)」では、雑念を相手にせず、先入観をなくしていく。
2.「溶解」では、人間には、意識と無意識があるが、トランスにより無意識を意識化していく。つまり微細身、あるいは霊界、神界、天国などの死の世界を意識化していく。生の世界である意識と死の世界である無意識を併せた全体がプリマ・マテリア。
3.「分離」では、ドラゴンの火により離遊の運魂たる地水火風から第五元素である空を遊離せしめる。炉はムラダーラ、火はクンダリーニ。空を遊離するということは、あらゆる現象が不変であることなく変化し続けることを実感してしまったということである。色即是空。空性の悟り。
4.「結合」は、なぜか「分離」の次に置かれている。そういう順路なのだろう。化学の結婚と言い慣わすのは、「人間の結婚」とすれば、天国に行けない煉獄や地獄行きの人から反発されたり、異端認定されるから。
「結合」とは、好き嫌いをやめること。西洋人は、その点で太陽王と月女王の結婚のシンボルのように舞台がかった派手な表現を好む。
15世紀イギリスの錬金術師にして修道士ジョージ・リプリー作の『錬金術の構成』では、賢者の石の生成過程が、「叡知の城」に至る12の門として描かれている。
まずその1から4。
『1.「煆焼(かしょう)」・・・金属を焙焼して金属灰(calx)にする操作であり、不純物を除去する。
2.「溶解」・・・金属を液状にする操作であり、濃密な状態が希釈化される。それまで金属の内部に隠されていたものが解放されて、液の中に溶け出して来る。原初的なプリマ・マテリアの状態に重なる。
3.「分離」・・・ 四大元素の分離であり、分解した四大元素からその魂である精気(第五元素)が遊離してくる。この過程を進めるために必要なものは、金属の内部にある神秘的な火、即ちドラゴンの火である。
4.「結合」・・・ 分離した対立要素が結びつけられる過程であり、「化学の結婚」と呼ばれる。 女性と男性、水銀と硫黄の結合であり、この場面は両性具有の図版で描かれている事が多い。』
(図説錬金術 / 吉村正和/ 河出書房新社P12から引用)
1.「煆焼(かしょう)」では、雑念を相手にせず、先入観をなくしていく。
2.「溶解」では、人間には、意識と無意識があるが、トランスにより無意識を意識化していく。つまり微細身、あるいは霊界、神界、天国などの死の世界を意識化していく。生の世界である意識と死の世界である無意識を併せた全体がプリマ・マテリア。
3.「分離」では、ドラゴンの火により離遊の運魂たる地水火風から第五元素である空を遊離せしめる。炉はムラダーラ、火はクンダリーニ。空を遊離するということは、あらゆる現象が不変であることなく変化し続けることを実感してしまったということである。色即是空。空性の悟り。
4.「結合」は、なぜか「分離」の次に置かれている。そういう順路なのだろう。化学の結婚と言い慣わすのは、「人間の結婚」とすれば、天国に行けない煉獄や地獄行きの人から反発されたり、異端認定されるから。
「結合」とは、好き嫌いをやめること。西洋人は、その点で太陽王と月女王の結婚のシンボルのように舞台がかった派手な表現を好む。