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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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釈迦は何のために冥想するか

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◎悪魔との対話

釈迦は、成道前も成道後も様々な悪魔と問答している。それを見聞きした人物も相当なレベルの人に違いない。

さて悪魔は釈迦七年の苦行につきまとっていた。
『三 そこで悪魔・悪しき者は、尊師に近づいた。近づいてから、尊師に向かって詩をもって語りかけた。
「あなたは悲しみに沈んで、森のなかで瞑想しているのですか?それとも、なくした財を取り戻そうとしているのですか?あなたは村のなかで、なにか罪を犯したのですか?なにゆえに人々とつき合わないのですか? あなたは、だれとも友にならないのですか?」

四〔尊師はいった、〕
「悲しみの根をすっかり掘り除くために、罪を犯さず、悲しむことなく、わたくしは瞑想している。生存を貪る欲念をすっかり断って、汚れなく、わたくしは瞑想する。怠けものの仲間よ!」

五〔悪魔はいった、〕
「『これは、わたしのものである』と人々が語るところの物、また『わたしのもの』ということを語る人々、―――もしもそなたの心がここにあるならば、そなたは、わたしから脱れることはできないであろう。道の人よ。」

六 〔尊師はいった、〕
「『これは、わたしのものではない』と人々が語るところの物、また『それらはわれではない』と語る人々、―――このように知れ。悪しき者よ。そなたは、わが行く道を見ないであろう。」』
(中村元選集 第11巻 ゴータマ・ブッダ2 中村元/著 春秋社P303-304から引用)

これに続いて釈迦は、『「彼岸にいたろうとする人々は、不死の境地をたずねる。かれらに問われて、すべての休止した生存の素因のない境地を、われは説く。」』(上掲書P305から引用)

不死の境地、すべての休止した生存の素因のない境地は言葉では語り得ないニルヴァーナのこと。

他人のものを引き寄せの法則とか、自分だけ楽して願望実現とか、言っているうちは、『この人生で必要なものは、すべて与えられている。』などとは思わない。
一億総貧困化の中、食料品、ガソリンなど物価は上がる兆しであり、生存に必要な生活レベルを維持していくだけでも全精力を傾けねばならないのも反面の現実である。(二重のリアリティ

そこで、どう生きたかを考える上で、彼らが悟っていたかどうかは知らないが、OSHOバグワンの父親の無私や、出口王仁三郎の祖父のギャンブル三昧な生活は、示唆する所がある。

釈迦はこの会話で、悪魔を説得にかかるのではなく、会話を打ち切った。それでも冥想によりニルヴァーナを目指すとは語っている。


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