Quantcast
Channel: アヴァンギャルド精神世界
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3535

道教の慧命経の元真と一片の光輝-2

$
0
0
◎虚空粉砕図第八

面壁図第七のアートマンなる元真は、クライマックスに進む。


粉砕図第八の韻文と現代語訳。
『生ぜず、滅せず
去ること無く、来ること無し
一片の光輝、法界を周り
雙(ならび)に忘れて、寂たり浄たり、最も霊(くしび)にして虚なり
虚空は天心の耀きに朗(あきら)けく徹り
海水は澄みて、清き潭に月溶く、
雲、碧空に散じ、山色、浄らなり
慧は禅定に帰して、月輪、孤たり。

生れることもなく、滅びゆくこともない。 過ぎ去ることもなく、これから来ることもない。
一つの光の輝きが精神の世界をつつむ。
人は互いに忘れる、静かに、そして純粋に。力強く、そして虚しく。

空は天上の心の輝きに照らし出され、
海の水はなめらかに、その面に月を映す。 雲は青空へ消え、
山々は明るく輝く。
意識は観照の中に溶け去り、
月輪はひとり安らっている。』
(黄金の華の秘密/C.G.ユング/人文書院P300-302から引用)

一片の光輝はアートマン、法界は絶対光(ダンテス・ダイジ)。一片の光輝は絶対光に回帰するが、雙方ともそれを忘れ、寂浄にして、最高に神秘であって、なにもかもなし。
※法界は「精神の世界」ではないと思う。また二人の人間が互いに忘れるのでもあるまい。

天心の耀きとは中心太陽のことで、それが虚空に変ずれば、モクシャ〔実在・意識・至福〕なる、雲一つない青空、月を映し溶かすほどの静かな海面、智慧がサマーディに帰して孤独・独存である月となる。

道教でも月輪、一円相をモクシャ、ニルヴァーナの象徴として用いるのは、よくよくのことなのだろうと思う。

また第六身体と第七身体の関係という点では、『一片の光輝、法界を周り 雙(ならび)に忘れて』に明確な遷移の相が示されており、これを実体験した者だけが首肯し得る、かつ思い切った描写になっているのだろうと思う。

◎冥想の効用のない部分、ある部分-13
◎冥想の効用のない部分-12
◎第六身体アートマンと第七身体ニルヴァーナの関係性-11

Viewing all articles
Browse latest Browse all 3535

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>