◎碧巌録第42則
お寺の別称が選仏場。そこで見性した者だけが、心が空であるという体験とは言えない体験により及第とされる。
ホウ居士が、禅マスターの石頭に質問をぶつけた。「森羅万象とフレンドにならないのはどのような人ですか」
石頭は、それを言い終わらないうちに、ほう居士の口を手でふさいだ。
ホウ居士は、これで悟った。ホウ居士の頌
「日常の暮らしの中に特別なことはない。ただ私が、ぴったりと森羅万象にマッチしているだけ。
どれもこれも取捨するものはなく、どこにも縁起の悪いものはない。
朱衣や紫衣を誰が誇ろうか、青山にはもともと塵埃はない。
神通力の不可思議な働きによって、水を汲み薪を運ぶ。
(日用事別無し。唯吾自ら偶諧す。頭頭取捨に非ず。処処張乖没し。朱紫誰れか号を為す。青山点埃を絶す。神通并に妙用。水を運び及び柴を搬ぶ)」
次にホウ居士は、禅マスターの馬祖に質問した。「森羅万象とフレンドにならないのはどのような人ですか」
馬祖「あなたが一気に西江の水を飲み干したら答えよう」
この一言を聞いて大悟したホウ居士の頌
「世界中から人が集まって、それぞれに無為を学ぶ。心が空であることで、及第して帰る(十方同聚会。箇箇学無為。此れは是れ選仏場。心空及第して帰ると)」
心はもともと空であるから、心を空にするというのではなく、心が空であるという心と空が主客転倒、逆転、逆立ちのシーンである。
お寺の別称が選仏場。そこで見性した者だけが、心が空であるという体験とは言えない体験により及第とされる。
ホウ居士が、禅マスターの石頭に質問をぶつけた。「森羅万象とフレンドにならないのはどのような人ですか」
石頭は、それを言い終わらないうちに、ほう居士の口を手でふさいだ。
ホウ居士は、これで悟った。ホウ居士の頌
「日常の暮らしの中に特別なことはない。ただ私が、ぴったりと森羅万象にマッチしているだけ。
どれもこれも取捨するものはなく、どこにも縁起の悪いものはない。
朱衣や紫衣を誰が誇ろうか、青山にはもともと塵埃はない。
神通力の不可思議な働きによって、水を汲み薪を運ぶ。
(日用事別無し。唯吾自ら偶諧す。頭頭取捨に非ず。処処張乖没し。朱紫誰れか号を為す。青山点埃を絶す。神通并に妙用。水を運び及び柴を搬ぶ)」
次にホウ居士は、禅マスターの馬祖に質問した。「森羅万象とフレンドにならないのはどのような人ですか」
馬祖「あなたが一気に西江の水を飲み干したら答えよう」
この一言を聞いて大悟したホウ居士の頌
「世界中から人が集まって、それぞれに無為を学ぶ。心が空であることで、及第して帰る(十方同聚会。箇箇学無為。此れは是れ選仏場。心空及第して帰ると)」
心はもともと空であるから、心を空にするというのではなく、心が空であるという心と空が主客転倒、逆転、逆立ちのシーンである。