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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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鈴木大拙の背水の坐禅

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◎禅と霊界探訪

鈴木大拙は、釈宗演老師から無字の公案を与えられていたようだ。

彼が26、7歳の頃、洋行を前にして、アメリカに行けば参禅することができないということで、臘八接心にて「背水の坐禅」を行い、見性した。その時、山門を下ろうとして、月明の中の松の巨木と、己れとの区別をまったく忘じつくした自己を自覚したという。

ZENがアメリカにこれほど盛んになったのは、鈴木大拙の功績は大きく、いまやzenbook,zenphoneなどの最先端のデジタルディヴァイスから、zendog(柴犬)まで、zenは、かっこいいものの代名詞となるまで、カルチャー化した。

しかしその後、彼がスェデンボルグの「天界と地獄」の翻訳をやったのは、いかがなものか。当時の時代の趨勢は、霊的なものをオープンにしてみせるという時代であったことは確かだが、禅者がやるべきことであったかどうか。まあ彼の悟後の修行の一つと見れば理解できないことはない。

禅には絶対や、永遠、全体はあるが、霊は扱わない。禅には、霊界探訪を位置づける棚はないはずなのだが。

おまけに鈴木大拙は老子道徳経の英訳までやった(鈴木大拙没後40年/松ヶ岡文庫/河出書房新社 P128)そうだから、自身の活動が禅という宗派を越境することにあまり抵抗はなかったようだ。

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