◎神の泉
列子の湯問篇5より。
『禹が治水のために全国を行脚していた時に、道に迷ってどこへ行けば良いのかわからなくなっり、誤ってある国に出た。その国は北海の北側に位置し、都から何千万里の距離かもわからなかった。その国の名を終北と云う。
その国はどこまで続いているか果てしもなく、風も吹かず、雨も降らず、霜や露も降りず、鳥も獣も虫も魚も、草も木もなく、生物は住んでいなかった。
四方は見渡す限り平地だが、遥か彼方に高い山脈が連なり、その中央に壺嶺という山があった。形は素焼きの甕に似ていた。頂上に口があり、丸い輪の形をしており、この穴を磁穴と呼ぶ。
その口から水が沸きだし、その名を神フン(サンズイに糞)と呼ぶ。その水は大変良いにおいがして、蘭や山椒にも勝るほどであり、味はどぶろくに勝るほどだった。この水源から四つの流れが下り、国中に行きわたって、至らぬところなく、土地の風気はなごやかで、病気にかかる者もなかった。』
北の最果てだから、太乙、北極星の直下の国が終北国。砂漠のような国だが、風も吹かないので砂漠よりもひどい。石ころの国である。でもその奥山の中心に神の水が流れ出す源泉がある。
源泉の水のすばらしさの形容は大時代的だが仕方ない。香の優れていたものは山椒が代表的だったのですね。さらにこの国に住む人についての説明が続く。
列子の湯問篇5より。
『禹が治水のために全国を行脚していた時に、道に迷ってどこへ行けば良いのかわからなくなっり、誤ってある国に出た。その国は北海の北側に位置し、都から何千万里の距離かもわからなかった。その国の名を終北と云う。
その国はどこまで続いているか果てしもなく、風も吹かず、雨も降らず、霜や露も降りず、鳥も獣も虫も魚も、草も木もなく、生物は住んでいなかった。
四方は見渡す限り平地だが、遥か彼方に高い山脈が連なり、その中央に壺嶺という山があった。形は素焼きの甕に似ていた。頂上に口があり、丸い輪の形をしており、この穴を磁穴と呼ぶ。
その口から水が沸きだし、その名を神フン(サンズイに糞)と呼ぶ。その水は大変良いにおいがして、蘭や山椒にも勝るほどであり、味はどぶろくに勝るほどだった。この水源から四つの流れが下り、国中に行きわたって、至らぬところなく、土地の風気はなごやかで、病気にかかる者もなかった。』
北の最果てだから、太乙、北極星の直下の国が終北国。砂漠のような国だが、風も吹かないので砂漠よりもひどい。石ころの国である。でもその奥山の中心に神の水が流れ出す源泉がある。
源泉の水のすばらしさの形容は大時代的だが仕方ない。香の優れていたものは山椒が代表的だったのですね。さらにこの国に住む人についての説明が続く。