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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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白日昇天とマニュアル

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◎最後の一ミリは自分で

淮南王劉安は、各地の道術の師を集め、神仙黄白の術に関する書物を編纂した。黄は、黄金、白は水銀。
淮南王劉安は、道を得て、家族と家屋それにペットの犬ともども昇天した。

彼らが白日昇天して山の上には、いまだに家屋の基礎が残っており、天気によっては空中から愛犬の鳴き声が聞こえてくるという。

この話を伝え聞いた前漢末の劉向は、淮南王劉安の神仙黄白の術の書物を入手して白日昇天にチャレンジしたが、結局失敗に終わった。その原因は、秘訣は書物でなく、口伝でしか伝えられていなかったためだとされる。

最近はマニュアルとかノウハウ、取説全盛であって、それで何でもできると思われている。

ところが本気度、真剣度が伴って初めてわかる部分があり、それはそのことがわかる準備が整った者だけに口訣として示される。

あるいは書物にはきちんと書いてあるが、その人物の成熟度、タイミングが相俟ってはじめて真意が理解されるということがある。

書けばわかる、言えば伝わるということではできない部分が最後に一ミリ残される。自分でやらなければならない部分である。それは、こつであって、こつでないところ。すべてを捨てる。自分と自分を取り巻く宇宙すべてが死ぬ。それがあって初めて、今ここ。

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