マインド・コントロール、マインド・ビジネス、マインド・ハック、マンド・レイプ

◎その手法と発展

マインド・コントロール、マインド・ビジネス、マインド・ハック、マンド・レイプ。こうしたものは、最初は、あるアメリカのカルト教団の洗脳テクニックから発展してきたものだと言われている。しかし現代のそれは、マーケティングや、セールスの応酬話法、催眠術の意識誘導の技術、またＣＩＡや中国の敵国兵士の洗脳手法、さらには飲酒や向精神性薬物投与まで含めて、複合的ないいとこどりの心を操作する手法が可能となっているほどに発展を遂げた。

その成果が、カルト宗教の勧誘であり、振り込め詐欺などの特殊詐欺であり、ネットワークビジネスであり、自己啓発セミナーなどである。

このようなマインド・コントロール・シーンでは、顕在意識での自我認識を、長い時間拘束や、作業による疲労、個室への閉じ込めを通じて不安定化させる。

次にその不安な情動を、日常の自分の秘密を人前でカミングアウトさせたり、暗闇や目隠しで、他人の眼を気にしないようにさせたり、さらにグループ集団と異なる行動には罰があることを示し、自分の取る選択肢（入信、購入契約、お金の支払、次回のセミナー・集会への出席など）を狭めておく。

そうした不安な気持ちを絶叫や集団熱狂などで発散させ、さも自分が自由な意思で選択できる能力があるような気分も作り上げる。

振り込め詐欺ではこうした狭くなり限定された意識状態を電話一本で作り上げてしまう。
カルトや自己啓発セミナーでは、不安定な気分や自信のない自分につけこんで追い込んでいく。

次にトランスまでいけば成功だが、少なくとも自我意識が不安定であって、マインドコントロール者の意図する狙いの決断（入信、購入契約、お金の支払、次回のセミナー・集会への出席など）までしてくれれば、十分な成果だろう。

心の無意識層は、受動的であることが知られているが、それの応用である。


自意識の不安定化からトランスへ進むのはまともな宗教でもまともな師匠が使う技法ではある。要するにトランスそれ自体は白でも黒でもない。その真っさらなスクリーンに天国を描こうとするのは、まともな宗教者たちだが、地獄を描こうとする狂信者や、共産主義者、金の亡者があまりにも多すぎる。

日本では、合法の名の下にこうした怪しい勧誘が日夜続けられている。日本人は他人の悪意には寛容すぎるところがあるが、逆に他人への妬みにも寛大なところがある。それには得失両方ある。

状況がこうなれば既に手法自体への法規制はできないので、個々人が真人間になるしかないと思っている人は少なくないはずなのだが。