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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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神と悪魔、天国と地獄

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◎忌避と融和

朝四時半の外気温が29度と冷房のない人にはきつい一晩となった。台風の影響であるフェーン現象の影響もあるとはいえ、日常生活に対し地球温暖化は無視できない趨勢となっている。

ハード・ロックと言えば、ローリング・ストーンズの昔から悪魔主義的なシンボルや、コスチュームや歌詞、パフォーマンスを用いてきたものだ。最近のBaby Metalも全く悪魔主義的デザイン。

聖書の創世記では、いきなりアダムとイブの楽園放逐、カインとアベルの殺人と人間の暗い面を際立たせるような趣向がこらされている。こうした書きぶりは、悪魔的あるいは、人間の悪の面を忌避する方向性で一貫している。これをアポロン的傾向と呼び、この傾向は近代西欧文明に共通したものである。

これに対して、悪に対して忌避でなく融和で臨むのが古神道であり、悪に対しては「言向け和す」とあくまでも悪自身の側が改心して善に立ち返ることを期待する。

素直に自分のことを見てみれば、肉体は唯物主義であり、その意味で悪魔的とも見れる。肉体意識も潜在意識の一種だが、それをして出口王仁三郎は、副守護神と呼び、悪魔的傾向を認めている。肉体をそうした方向で見る見方は、肉体を太母と見るのに加えて、時々出てくる見方ではある。


悪魔を忌避するとは、厳密に考えれば肉体を忌避することに他ならず、そんなことをしていては、人間が成り立っていかない。

古神道では、そこに言向け和す作業として、禊があり、「言向け和す」ための祝詞奏上がある。

大航海時代に、こうした悪魔的なるものへの応対の基本線があったインド、中国、日本で、それぞれに最初にキリスト教宣教師が入って来ようとした時に、為政者たちが、その弊害を本能的に論理的に察知して、キリスト教を入れるのに抵抗したのは、当然だったと思う。

そうした発想の延長で考えると唯物論の世界とは地獄的世界観であり、仏教者、神道家が眉をひそめたのは、直観的反応と言える。

よきにつけ悪しきにつけ、現代は、そうした悪魔的世界観、地獄的世界観のカルト、国家、グループが共存した社会になっており、純粋宗教、それにつながる純粋冥想が見えにくい。純粋冥想は、野の花のように、その美しさを誇らず、いつしかかそけく散っていく。その無力さ、精妙さの方が永遠から流れ出てくる最も高貴なものなのだが、この時代は、あまたある雑多なものや声高なものに隠れて、それが見えにくい時代である。

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