◎教えてくれないでありがとう
人のやる気を引き出すゲーミフィケーション。ゲーミフィケーションでいう動機付けとは「やる気スイッチ」のことである。
やる気を外発的に引き出すのは、冥想修行的には害があるものだ。
禅語録を見ると、悟った禅僧が、「いろいろ教えてくれなかったことをありがとう」などと感動の内に大感謝しているシーンに出くわすことがある。こういうのを見た時に最初のころは面妖な気分だったが、最近はさもありなむというところだ。
一休の和歌、
釈迦といふ いたづらものが世に出でて
多くの人を迷はするかな
は、そうした消息を伝えている。釈迦が余計なことをいっぱい喋ったおかげで後世の人が右往左往しているというもの。
芥川賞作家でお笑い芸人の又吉が、執筆用にホテルでなくて、バス・トイレ共同のアパートを借りたが、その理由は「余計なことをしないため」。やる気温存目的だが、こういう自発的なのは良い。
『人を動機づける方法はいく通りもある。そのひとつが、実際的な課題を与えてつぎつぎにレベルアップするよう励まし、感情に訴えて、目標達成のために精一杯やろうという気にさせる方法だ。
これこそ、ほかならぬゲーミフィケーシヨンの特徴だ。ゲーミフィケーシヨンの本質とは、人を感情のレベルでやる気にさせ、目標を達成できるよう動機づけることなのだ。』
(GAMIFY -エンゲージメントを高めるゲーミフィケーションの新しい未来- ブライアン・バーク/著 東洋経済新報社P34から引用)
この著者は人のやる気を感情型と取引型に分類しているのだが、取引型とは、何時間この仕事をすれば給料がもらえるみたいな契約履行みたいなもの。これは心理的には意識サイドであって、これに対して感情型やる気は感情だから無意識サイドの操作。
オウム真理教は、取引型のやる気によって殺人までさせた。
やるべきことをやることで得られる報酬が外的か内的かによってやる気に違いがあり、外的報酬だと、短期的にはやる気が持続するが長期的にはやる気が低下する。一方内的報酬だと、やる気が長続きする。
「モチベーション3.0/ダニエル・ピンク著/講談社」によると、内的なモチベーション(やる気)は、以下に3分類される。
『
(1)自律性(Autonomy)自分の人生を自ら導きたいという欲求
(2)熟達(Mastery)自分にとって意味のあることを上達させたいという衝動(3)目的(Purpose)自分の利益を超えた何か大きなもののために働きたいという憧れ
』
(GAMIFY -エンゲージメントを高めるゲーミフィケーションの新しい未来- ブライアン・バーク/著 東洋経済新報社P38-39から引用)
この内的モチベーション3分類は、まさに冥想修行者、求道者のモチベーションそのものであって、そういうものまでメリデメ、金儲けにまで利用する時代になったかということで、改めて末世の感を深くする。
感情レベルの報酬とは、やりがいのことである。やりがいをかきたてたり、やりがいの方向性を変えることを洗脳ともいう。
ゲーミフィケーションは、洗脳の一種ではあるが、洗脳が解けた後のリアクションを考えれば、安易に洗脳に乗るわけにはいかない。
どうすれば洗脳されないで、クリアにナチュラルに生活できるのだろうか。まずスマホを見ない、テレビを見ない、ネットを見ない、電車に乗ったら車両の動画画面を見ないというのが、安直な方法だ。だが、それは、社会人とか、学生とか、主婦であっても相当困難な生き方だ。
よって現代人は、迷いの生活のうちに悟るという困難な道筋をたどらねばならない。
人のやる気を引き出すゲーミフィケーション。ゲーミフィケーションでいう動機付けとは「やる気スイッチ」のことである。
やる気を外発的に引き出すのは、冥想修行的には害があるものだ。
禅語録を見ると、悟った禅僧が、「いろいろ教えてくれなかったことをありがとう」などと感動の内に大感謝しているシーンに出くわすことがある。こういうのを見た時に最初のころは面妖な気分だったが、最近はさもありなむというところだ。
一休の和歌、
釈迦といふ いたづらものが世に出でて
多くの人を迷はするかな
は、そうした消息を伝えている。釈迦が余計なことをいっぱい喋ったおかげで後世の人が右往左往しているというもの。
芥川賞作家でお笑い芸人の又吉が、執筆用にホテルでなくて、バス・トイレ共同のアパートを借りたが、その理由は「余計なことをしないため」。やる気温存目的だが、こういう自発的なのは良い。
『人を動機づける方法はいく通りもある。そのひとつが、実際的な課題を与えてつぎつぎにレベルアップするよう励まし、感情に訴えて、目標達成のために精一杯やろうという気にさせる方法だ。
これこそ、ほかならぬゲーミフィケーシヨンの特徴だ。ゲーミフィケーシヨンの本質とは、人を感情のレベルでやる気にさせ、目標を達成できるよう動機づけることなのだ。』
(GAMIFY -エンゲージメントを高めるゲーミフィケーションの新しい未来- ブライアン・バーク/著 東洋経済新報社P34から引用)
この著者は人のやる気を感情型と取引型に分類しているのだが、取引型とは、何時間この仕事をすれば給料がもらえるみたいな契約履行みたいなもの。これは心理的には意識サイドであって、これに対して感情型やる気は感情だから無意識サイドの操作。
オウム真理教は、取引型のやる気によって殺人までさせた。
やるべきことをやることで得られる報酬が外的か内的かによってやる気に違いがあり、外的報酬だと、短期的にはやる気が持続するが長期的にはやる気が低下する。一方内的報酬だと、やる気が長続きする。
「モチベーション3.0/ダニエル・ピンク著/講談社」によると、内的なモチベーション(やる気)は、以下に3分類される。
『
(1)自律性(Autonomy)自分の人生を自ら導きたいという欲求
(2)熟達(Mastery)自分にとって意味のあることを上達させたいという衝動(3)目的(Purpose)自分の利益を超えた何か大きなもののために働きたいという憧れ
』
(GAMIFY -エンゲージメントを高めるゲーミフィケーションの新しい未来- ブライアン・バーク/著 東洋経済新報社P38-39から引用)
この内的モチベーション3分類は、まさに冥想修行者、求道者のモチベーションそのものであって、そういうものまでメリデメ、金儲けにまで利用する時代になったかということで、改めて末世の感を深くする。
感情レベルの報酬とは、やりがいのことである。やりがいをかきたてたり、やりがいの方向性を変えることを洗脳ともいう。
ゲーミフィケーションは、洗脳の一種ではあるが、洗脳が解けた後のリアクションを考えれば、安易に洗脳に乗るわけにはいかない。
どうすれば洗脳されないで、クリアにナチュラルに生活できるのだろうか。まずスマホを見ない、テレビを見ない、ネットを見ない、電車に乗ったら車両の動画画面を見ないというのが、安直な方法だ。だが、それは、社会人とか、学生とか、主婦であっても相当困難な生き方だ。
よって現代人は、迷いの生活のうちに悟るという困難な道筋をたどらねばならない。