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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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オウムの薬物乱用と記憶抹消

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◎従順な仔羊信者たちの悲劇

最近オウム関連本を何冊か読んだ。

1.未解決事件オウム真理教秘録 NHKスペシャル取材班/編著 文藝春秋
2.オウム事件17年目の告白/上祐史浩/扶桑社
3.検証・オウム真理教事件/瀬口晴義/社会批評者

オウム関連本をまとめて読む人はそう多くはないだろう。というのは一冊一冊が刺激が強すぎて、一冊読めば他のことも想像できるみたいな気分にさせられるからである。

特に気になったことは2点あり、その一つは、LSD(と覚せい剤)入りドリンクを信者に大量に飲ませたが、その影響からか、サティアンでは統合失調みたいになった人を時々見かけたという点。教団内では、こうした人たちに十分なケアは与えられなかっただろうから、この人たちはその後どうなったのだろうか。

もう一つは、ニューナルコと呼ばれる薬物(睡眠導入剤?)と脳への電気ショック+洗脳情報強制投与による記憶抹消を施術された人数は約100人で、一人で20回以上やられた人もいること。

これをやられると、ある期間の記憶の一部が欠落して、人生上のセンシティブな部分が荒廃してしまう。

この記憶抹消をやられた人は、教団の殺人やサリンなどの犯罪を偶然知ってしまった人たちであって、素直で従順な信者であったがゆえにこのような目にあった側面があり、結構古参信者が多いことも目に付く。

グルのへの絶対服従は、法治の観点からすれば、信者の人権無視人権侵害にあたる。だが、たとえば観想法でいえば、カトリックでも正教でもチベット密教や比叡山でも、何か月も籠って観想やマントラをやらせる修行法はあるものだ。また道教でも魏伯陽が、弟子二人に毒を飲ませることを強要した事件もある。

だからグルへの絶対服従がだめとは、一概には言えない。
宗教の修業は、生死を賭けるものだから、出家修行では、日常生活は捨離される。

よってオウムではグルが問題だったということにはなる。

古参信徒の中には、グルの悟境を見極めてさっさと脱会した人もあるという。さもありなんである。

ことほど左様にお人よしの多い日本人。正師とは悟った人のことだが、悟っていない人が師匠や教祖が悟っているかどうかを見極めることなどまずできない。

その行為が合法であっても善行であるとは限らないし、最も厳しい見方では、悟っていない人間の行為などほとんど悪という見方すらあるのだ。

それでも坐る。


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