◎爛熟と腐敗
パラケルススの『自然の光』から。
『腐敗はあらゆる発生の始源である。
・・・・・それは自然の形姿と本質、諸力と効能を転換する。胃の中の腐敗があらゆる食物を粥状に転換するのと同じような仕方で、腐敗は胃の外でも起る。
腐敗はまことに大いなる諸物の産婦である。多くのものが腐敗によってさらに多種多様なものとなり、そこから一つの高貴な果実が生まれる。
なぜなら腐敗はあらゆる自然的事物の根元的本質の逆転、死、破壊なのだから。再生と新生はこの腐敗を何千倍も改善して成立する。
しかしこの事実は神の最高にして最大の神秘であり、神が死すべき人間に啓示し給うた最も深い秘密であり奇跡なのである。』
(自然の光 パラケルスス/[著] 人文書院P193から引用)
逆転、死、破壊に先行して腐敗が起こる。
それでは、人の腐敗とは何か、倦怠であり、エネルギー余剰であり、巨万の富や、名声や賞賛や、強大な権力を得ても本当のところはしっくり満足できていないことである。それは、既に自己実現によっては、真に納得できないということであり、どんな社会的成功を収めても自分の寿命には限りがある、死が必ずあることが兆すということ。
そうした人の多い時代の風潮は、爛熟となる。これが「腐敗」である。
誕生→成長→「腐敗」→逆転、死、破壊。
この法則は、個人の一生にも通用するし、文明の興亡にも通用する。
ただ、パラケルススの狙っているのは、高貴なる果実だけである。
パラケルススの『自然の光』から。
『腐敗はあらゆる発生の始源である。
・・・・・それは自然の形姿と本質、諸力と効能を転換する。胃の中の腐敗があらゆる食物を粥状に転換するのと同じような仕方で、腐敗は胃の外でも起る。
腐敗はまことに大いなる諸物の産婦である。多くのものが腐敗によってさらに多種多様なものとなり、そこから一つの高貴な果実が生まれる。
なぜなら腐敗はあらゆる自然的事物の根元的本質の逆転、死、破壊なのだから。再生と新生はこの腐敗を何千倍も改善して成立する。
しかしこの事実は神の最高にして最大の神秘であり、神が死すべき人間に啓示し給うた最も深い秘密であり奇跡なのである。』
(自然の光 パラケルスス/[著] 人文書院P193から引用)
逆転、死、破壊に先行して腐敗が起こる。
それでは、人の腐敗とは何か、倦怠であり、エネルギー余剰であり、巨万の富や、名声や賞賛や、強大な権力を得ても本当のところはしっくり満足できていないことである。それは、既に自己実現によっては、真に納得できないということであり、どんな社会的成功を収めても自分の寿命には限りがある、死が必ずあることが兆すということ。
そうした人の多い時代の風潮は、爛熟となる。これが「腐敗」である。
誕生→成長→「腐敗」→逆転、死、破壊。
この法則は、個人の一生にも通用するし、文明の興亡にも通用する。
ただ、パラケルススの狙っているのは、高貴なる果実だけである。