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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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ピカトリクス

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◎熟睡中の夢も見ない状態

ピカトリクスは、ルネッサンスの神秘家は、まず読んでいただろうという中東伝来の魔術書。1256年にカスティーリャ王アルフォンソ10世の命によりアラビア語からスペイン語に翻訳されたということで、この方面に未開であった欧州に、魔術なるクンダリーニ・ヨーガの知識が入ってきた黒船。

中国から発するシルクロードは唐代に特に文物交流が盛んだったが、クンダリーニ・ヨーガ系で当時西方の最先進国は、中東であり欧州ではなかった。

中東に起源を有するユダヤ教は、アトランティス密教を源流とする古代エジプト秘教の流れを汲むグノーシスヘルメス文書などの影響をうけつつ独自の宗教体系を育んでいった。それが、スペインに入って行った一例がピカトリクス。

ピカトリクスは文章が晦渋であるが、クンダリーニ・ヨーガ系であるという基本線を外さなければ、クンダリーニ・ヨーガ系文書として読めるように思う。

『予測予言が第五本質の諸力能であることは明白であり、それを預言と称する。これは霊の力能に固有なもので、分離された諸事物を見ることからかたちづくられるものである。感覚感受と知解とは眠っているときにも目覚めているときにもおこる。

内実をかたちづくるその力能は不浄なあらゆる残滓から完璧に浄められており、分離された諸事物を内実が鏡の中にあらわれるように見る。これは霊が浄められて完璧な時のあらわれである。』
(ピカトリクス 中世星辰魔術集成/大橋喜之訳/八坂書房P111から引用)

感覚感受と知解が睡眠時にもあり得るのは、睡眠時でも夢を見る見ないがわかるということであり、これぞ熟睡中の夢も見ない状態である。

熟睡中の夢も見ない状態とは、第六身体アートマンであり、それがこの『内実』を指す。『内実』とは、一気、一者、一気であり、時間、空間、あらゆる現象が含まれることから、見たいと思う個別事物を鏡にあらわれるように見るのは、アカシック・レコードを見て予言する仕組みと思う。

どうしても、実用があるように見せることで読者の関心を惹かねばならないので、星辰系の呪術で現世利益もできるみたいな思わせぶりを入れないといけないというのが出版の約束事なのだろう。

そこから入るのは大いに求道者を迷わせやすいが、そこからしか入れない道もまたあると思う。

中国の壺中天は、壺から入るように。

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