◎死の暫往なること
列子の楊朱篇に
輪廻転生を語る部分がある。
『太古の人は、生の暫来なることを知り、死の暫往なることを知る。』
生はどこかから暫し来たのであって、死はどこかへ暫し行くことであると。
そのどこかからとは、チベット死者の書ならば、原初の光であって、ヨーガならば、ニルヴァーナということになる。またそれは、古事記ならば、
天御中主神となる。
臨死体験にあっては、生と死を分けるのは三途の川という。三途の川にニルヴァーナが潜んでいると予想するのは、あまりにも荒唐無稽な推論ではあるまいと思う。