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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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苦労しないで物を得る

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◎モバゲーからオリンピック金メダルまで

現代文明では、苦労しないで情報を取ったり、苦労しないでゲーム(スマホ、携帯、ゲーム機)をしたり、炊事をする手間なくスーパーのデリカやコンビニで食事を手に入れたり、ボタン一つで資金を運用して利益を得ることが当たり前になった。

それの極みが、北インドのババジの伝記などに頻出する、必要な物を何もない空間からポンと出す現象である。

だが、そういうことができる人物は、物欲やモノから卒業している人物である。

あらゆる現象や出来事には実体がないというのは、あらゆる面白いこと、つまらないこと、みじめで情けないこと、思い通りのことが体験されてしまって、もはやすべての通俗的人生体験、聖なる人生体験、地獄的人生体験には飽き飽きした人間に起こる実感の先にある。

要するに物欲、名誉欲、出世欲、支配欲、所有欲などを問題にしなくなるほどに、十全な人生の実感を蓄積しえた人間だけが、何もない空間からタオルや毛布や魚やワインや紙幣を出すことができるようになる。

だがそうしたあらゆる実感を得ていない人間が、苦労や努力なしで、ものを引き寄せようなどと思うのは、この世の様々な争闘やら物欲のぶつかり合いから全く自由どころでなく、自ら好んでもっとこの世界の切った張ったの鉄火場を味わって、もっと地獄と虚無を見たいということである。

このスタンスの人には、無私なる行動を日々積み重ね、一瞬一瞬を愛に生きようなどという人たちの気持ちは理解できない。

2018年平昌五輪では、小平奈緒選手がスピードスケート500mで日本の女子として初めて金メダルを獲得した。

これは、苦労と努力を積み重ねて大目標に到達したものであり、便利の名のもとに、楽に手早く、あわよくば自分の手は下さない引き寄せの法則とは対極にある。

便利には優れた面もあるが、他方人間を堕落させやすい。便利そのものは白でも黒でもないが、そのメリットを享受するのに謙虚さを忘れるとこんなことになりがちである。

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