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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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◎マントラ惟神霊幸倍坐世

惟神霊幸倍坐世(かむながらたまちはへませ)は、出口王仁三郎のメインのマントラ。霊界物語第一巻の幽界巡りの何度かある苦境で、これを唱えるシーンがあり。神助を求めるマントラであることがわかる。

だが、マントラである以上は、南無阿弥陀仏、南無妙法蓮華経などと同様に、繰り返し繰り返し何時間も(何日も)唱え続けて、マントラシッディを狙うのが王道。

霊界物語第26巻総説歌から

【か】みが表に現はれて
【む】かしの神代に立直し
【な】らくの底に落ち込みし
【が】き畜生の身魂まで
【ら】く土の園に手を曳きて
【た】すけむものと三五(あななひ)の
【ま】こと心を振り起し
【ち】しほ吐きつつ雲霧を
【は】らはせ給ふありがたさ
【へ】だてなき世の神の国
【ま】つの五六七(みろく)のうまし世を
【せ】かいに照らし給ふこそ
 実に尊さの極みなれ。』

※神が表に現はれて:霊界では大神が表にお出ましになるかもしれないが、現世で神知らぬ身では何にもなりはせぬ。
※三五(あななひ):三五=掛け算で15。十五夜は満月であり、一円相。大神のこと。

言霊、言霊というが、神知る者の言が言霊であって、それなくしていくら声が良かったり、声が大きかったりしても言霊ではない。

惟神霊幸倍坐世(かむながらたまちはへませ)の用例では、苦境に陥った時に2度唱えなさいというのが多いので、神頼みの時に唱えるものと誤解されがち。だが、随筆集『月鏡』の「悪魔の世界」の段を読めという出口王仁三郎の示唆(新月の光)があることから、恐怖の最中に意識レベルが低下し、言霊の活動するレベルが露見するようなタイミングにあって、初めてかむながらたまちはへませという言霊の効果があるのだろう。・・・・・・・・恐怖の恵み


<参考>
『月鏡 悪魔の世界/出口王仁三郎

吾嘗て霊界に或夜誘はれて、幻怪なる夢魔の世界に入つた。その時自分は無劫の寂寥と恐怖に襲はれた。右も左も真の闇で、面前も背後も咫尺を弁ぜざる斗りの暗黒裡に落ち込んだ。そして何んとなく寒さを感じ、戦慄止まずして非常に怖ろしい、頭の頂辺から脚の爪先まで吾神経は、針の如うに尖つてゐる。

闇の中から黒い翼を拡げて、黙々として迫り来る凄まじい物の息を感ずる。慥に何物かが迫つて来る、地震、雷、火事、親爺よりも海嘯よりも、噴火よりも恐ろしい怪物が、虚空を圧し、大地を踏み躙つて、今にも吾身心に迫り来るかの如くに思はれて、大蛇に睨まれた蛙、猫に魅入られた鼠の如うに、自分の身体は微動とも出来ない。果然真蒼な剣の如き光が闇を劈いて、吾目を射貫した。其光は次第にメラメラと周囲に燃え拡がり、八方に飛び散らかつて、狂ひ初めた。さながら光の乱舞、火焔の活動で、何とも形容の出来ない厭らしさであつた。

そして此の物凄い火焔の海に、蒼白い横目の釣つた鬼と、赤黒い巌の如うな鬼とが、灰紫に煮えくりかへる泥の中に絡み合ひ、縺れ合つてゐる。やがて其の鬼が一つになつて、振り廻される火縄の様に、火焔の螺旋を描きつつ、幾千台の飛行機が低空飛行をやつてゐるやうな、巨大な音を轟かせながら、天上めがけて昇つて行く、その幻怪さ、実に奇観であつた。

真暗の空は、忽ちその邪鬼を呑んで了つたが、やがて大きな真赤な口を開けて、美しい金色の星を吐き出した。一つ二つ三つ五つと、百千億と刻々数を増す、金色の星は降るわ降るわ、始めは霰のやうに、雨の如うに、果ては大飛瀑のやうに降つて来る。

しかし其の星瀑の流るる大地はと見れば、白いとも白い、凝視すると一面の白骨で、自分も既に白骨を踏んで居る。何方向いても髑髏の山、散乱したる手や足の骨からは、蒼白い焔がめらめらと、燃えに燃えて何とも云へぬ臭気が、芬々として鼻を衝くのであつた。

自分は斯んな幻怪なる世界から一刻も早く脱れ出でんと、一生懸命に走り出した。足首が千切れる斗りに突走つた、併し幾ら駈けても白骨の広野は際限が無く、疲れ切つて思はず打倒れたが、忽ち深い深い渓河へ真逆様に落ち込んだ。

河水は悉く腥い血であつた。自分は逆巻く血の波に翻弄されつつ、河下へ河下へと流されて、正気を喪なつて了つた。その瞬間、何物かに強たたか五体を殴りつけられて、我に復つたが、雲衝く斗りの、一大摩天楼が頭上にそびえ立つてゐるのであつた。そして自分は、其の門柱に衝突した途端に、助かつた如うな心持になつた。

自分は覚えず其楼へ飛び込んで、矢庭に玄関へ駆け上つた、すると目眩しいばかりの電燈、否神の大燈が、恐怖に閉されて居た自分の魂の渓間を、皎々と照らし居るのであつた。吁々過去数十年の自分の幻影は、この恐ろしかつた夢の絵巻物となつて、今猶時々自分の魂に刺激を与へたり、鞭撻を加へて呉れる。吁々惟神霊幸倍坐世。』

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