◎知性のみが、一者を観る
錬金術の元祖ヘルメースが子タトに、知性が神を知解するメカニズムを諭す。
『さて生れざる一者は、表象されざるもの、不明なるものであるが、万物を表象せしめることにより、万物を介し、万物において現れ、
とりわけご自身のよしとするものに現れるものであることは明らかである。
そこで汝、わが子タトよ、まず主に、父に、唯一なる者に、「一者」ではなく「一者」の源である者に祈りなさい。――――憐みを得てこれほどの神を知解することができるために、そして神の光線の一条でもおまえの思いに輝くように。
実際知性のみが、みずから不明なるが故に、不明なものを観るからである。
タトよ、もしお前にその能力があれば、それは叡知の眼に現れるであろう。主は妬みなきが故に、全世界を通じて現れるのである。
お前は、知性を見、みずからの手でこれを捉え、神の像を見うるのか。
お前の内にあるものですら(知性)でさえ、お前にとって不明であるとすればどうして〈神自身〉がお前の肉眼を介して現れるであろうか。』
(ヘルメス文書/荒井献/P138−140から引用)
まず祈ろう。
観ている自分というのは、最後の場面でも問題になる。しかしここでは、「知性のみが、みずから不明なるが故に、不明なものを観るからである。」とし、知性が彼自身の悟境とある意味で関係なく一者を知的イメージとして捉えることができる可能性を示す。
さて生れざる一者は、表象されざるもの、不明なるものであるが故に、言葉では表現することはできない。
それでも生まれざる一者について表現をしようとチャレンジする意図があれば、それは知性によって為され得る。なんとなれば、知性そのものも不明なものであるからだと。
大いなるかな知性の機能。
こういう議論が青銅器とかせいぜい鉄器しかなかった時代に正々堂々となされていたことに、驚きを禁じ得ない。ほとんど現代並みの高度な物質文明を送らなければ、平然とこういう議論は出て来ないのではないか。
本山博も言うように、人は物を沢山持つことで自我を膨張させ、自我を極大化するサポートとすることができる。物を沢山持つ生活とは文明生活である。
ヘルメースの子タトもそのような文明生活を営み、こうした議論の出るような自我の苦悩に直面していたのだろうと思う。
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【悟りとは何か】 【ダンテス・ダイジ】 【クリシュナムルティ】 【OSHOバグワン】 【出口王仁三郎】 【道元】
【生の側から窮める】 【死の側から窮める】 【通俗人間性からのジャンプ】
【肉体】 【エーテル体】 【アストラル体】 【メンタル体】 【コーザル体】 【アートマン】 【ニルヴァーナ】
【アトランティス】 【現代文明】 【日本の行く末】
錬金術の元祖ヘルメースが子タトに、知性が神を知解するメカニズムを諭す。
『さて生れざる一者は、表象されざるもの、不明なるものであるが、万物を表象せしめることにより、万物を介し、万物において現れ、
とりわけご自身のよしとするものに現れるものであることは明らかである。
そこで汝、わが子タトよ、まず主に、父に、唯一なる者に、「一者」ではなく「一者」の源である者に祈りなさい。――――憐みを得てこれほどの神を知解することができるために、そして神の光線の一条でもおまえの思いに輝くように。
実際知性のみが、みずから不明なるが故に、不明なものを観るからである。
タトよ、もしお前にその能力があれば、それは叡知の眼に現れるであろう。主は妬みなきが故に、全世界を通じて現れるのである。
お前は、知性を見、みずからの手でこれを捉え、神の像を見うるのか。
お前の内にあるものですら(知性)でさえ、お前にとって不明であるとすればどうして〈神自身〉がお前の肉眼を介して現れるであろうか。』
(ヘルメス文書/荒井献/P138−140から引用)
まず祈ろう。
観ている自分というのは、最後の場面でも問題になる。しかしここでは、「知性のみが、みずから不明なるが故に、不明なものを観るからである。」とし、知性が彼自身の悟境とある意味で関係なく一者を知的イメージとして捉えることができる可能性を示す。
さて生れざる一者は、表象されざるもの、不明なるものであるが故に、言葉では表現することはできない。
それでも生まれざる一者について表現をしようとチャレンジする意図があれば、それは知性によって為され得る。なんとなれば、知性そのものも不明なものであるからだと。
大いなるかな知性の機能。
こういう議論が青銅器とかせいぜい鉄器しかなかった時代に正々堂々となされていたことに、驚きを禁じ得ない。ほとんど現代並みの高度な物質文明を送らなければ、平然とこういう議論は出て来ないのではないか。
本山博も言うように、人は物を沢山持つことで自我を膨張させ、自我を極大化するサポートとすることができる。物を沢山持つ生活とは文明生活である。
ヘルメースの子タトもそのような文明生活を営み、こうした議論の出るような自我の苦悩に直面していたのだろうと思う。


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