ダライ・ラマの輪廻の見方
◎複数の輪廻が同時に可能 釈迦に続き、ダライ・ラマの輪廻の見方。これは現代の人らしく、もっと直接的な表現でもって輪廻転生を説明してくれている、ダライ・ラマの輪廻転生説も、マンツーマン転生、つまり一対一オンリーの転生観ではない。 ここで彼は一対多の輪廻転生を開陳しているが、それですらも、人間個人の生き方はどうあるべきかを考える上で、大いに当惑させられる見方である。...
View Article物と心
◎物が強いか心が強いか この世では、生活実感として、物が強く心は弱い。しかしアストラル体、アストラル世界にあっては、心が強く、物は弱い。つまりアストラルは感情、欲望の強烈なところであって、感情、感覚、欲望すなわち心のままにものが変化してしまうのだ。...
View Article宇宙空間からのダイブ
◎究極のフリーフォール 2012年10月14日、オーストリア人の元兵士のフェリックス・バウムガートナーが、高度3万9千メートルの高空から地上にダイブを敢行した。 このダイブには、人間にとって決定的な問題点がある。それは、高度19千メートル付近では、体温によって空気が沸騰し、血管や肉体が膨張、破裂する危険があることである。 フェリックス・バウムガートナーは、ダイビング(=B.A.S.E....
View Article風も雨も雷も暑熱も激烈な時代
◎星も雲も風も気なり 風も雨も雷も暑熱も激烈な時代になった。 中国古代では、雲も天地の気の一種と見て、更に風も天地の気の流れと見ていた。その上天体も、列子天瑞篇にあるように、日月星辰もまた積気(天)の中で光輝を持つものであるとし、気の一種であるとされた。 つまり、星も雲も風も気の一種と見ていたのである。気とはプラーナのことであり、半物質たるエーテル体レベルを第一義とする。...
View Articleリッチまたはプア
◎足ることを知りたる人 出口王仁三郎の短歌で、リッチまたはプアを扱うもの。 足ることを知りたる人は 天地(あめつち)の神の仁慈(めぐみ)をさとりたるなり いかほどに知慧や宝をもつとても 神を知らぬは貧しき人なり 貧しくも心正しくすむ人は 神の恵みに富めるものなり 人の富 何うらやまむ 人はただ誠ひとつを宝と思えば とこしえに朽ちぬたからは すめ神の道に尽くせし誠なりけり...
View Article「宮廷の諍い女」で中国を思う
◎美しき中国バブル 「宮廷の諍い女」を見る楽しみは、まずその華麗なファッションである。皇后と沢山の側室たちは、いつも満州風の髪飾りで満艦飾であり、その衣服は豪華な絹であり、その中に春夏秋冬の四季のバリエーションがある。冬には毛皮も登場する。 纏足していなかったりするが(当然だが)、靴も布靴で宝石や香をあしらったりして、流石の伝統工芸を見せてくれる。...
View Article三つの明知
◎死の世界から窮める ある時釈迦は、拝火教徒バーラドヴァージャに出会った。 『〔尊師いわく、――――〕 「多くの呪文をやたらにつぶやいても、人は生まれによってバラモンになるのではない。 内心は汚物に汚れ、欺瞞に覆われている。 〔1〕前世の生涯を知り、また 〔2〕天上と地獄とを見、 〔3〕生存を滅ぼし尽くすに至って、 直観智を確立した聖者、――――...
View Articleジョルダーノ・ブルーノの哲学で「見る」
◎哲学でも行ける ルネサンスの異端者ジョルダーノ・ブルーノは、1592年ヴェネチア官憲により逮捕され、ヴェネチアの異端審問所に引き渡された。やがてローマへ移送され、ローマのサンタンジェロ城の息抜きの小さな天窓が一つあるだけの石牢に8年間幽閉された。 1600年ジョルダーノ・ブルーノは、カンポ・ディ・フィオーリ(花の広場)に裸のまま縛られて引き出され、生きながら焚殺された。...
View Articleマス布教とテーラーメイド冥想指導
◎真摯な冥想者の数に応じてマスターが出る 修行と行法の結果は必ずしも一致しない。たとえば、只管打坐をやり続けていた人が、必ずしも身心脱落するわけでもなく、別のタイプの見仏に進む場合がある。またさる妙好人のようにマントラ・ヨーガを繰り返し実習していた人がマントラ・シッディに終わらず宇宙意識にまで飛び出していく人もいる。...
View Articleデーメーテールと天照大御神
◎地母神との再会 古代ギリシアの地母神デーメーテール讃歌に天照大御神の岩戸開きみたいな話がある。 『「デメテルへの讃歌」によると、ある日ペルセポネが野原で花を摘んでいるとき、突然大地が割け、冥界の神ハデスが彼女を力ずくで地下に連れ去った。デメテルは愛する娘が突然いなくなったため、半狂乱になって娘を捜し求めた。...
View Article夢を売る男
◎小説がつまらない時代 夢を売る男/百田尚樹/太田出版を読みました。 特に2000年以降出版不況が顕著になり、小説家というハイ・ステータスは、日本の伝統的集団幻想に過ぎないものになってしまったというのを思い知らされた。 出版関係統計を見るとリーマンショック以降出版不況はさらに厳しいものになっている。...
View Article宮廷の諍い女:内的テンションの高さ
◎禅問答の土壌が生きている 宮廷の諍い女の小エピソードのそれぞれが、理不尽の連続である。嫉妬されるのも理不尽だし、追い落としの陰謀を仕掛けられるのも理不尽。しかし後宮ではその理不尽が日常的に繰り返される。...
View Article全生涯のパノラマ的回顧と輪廻
◎死後の審判以後の謎 マンツーマン輪廻が真相ではないという説を挙げたが、いかにもマンツーマン輪廻でないと理解しがたい仔細もある。それが、全生涯のパノラマ的回顧である。 チベット死者の書は、死に行く人向けの書であるせいか、いかにもマンツーマン輪廻っぽく書いてある。...
View Article脱出か今ここか
◎ユダヤ人の脱出(エクソダス) ある日ラビ・トケイヤーがユダヤ学者箱崎総一にこんなことを言った。 『考えてもみてくれたまえ。ローマ時代からユダヤ民族はその故郷を追放されて生き続けてきた。そして数千年ものあいだ民族としての主体性を失わずに存在し続けてきたのだ。この長い期間を通して、ユダヤ民族はあらゆる土地で迫害を受けてきた。...
View Articleあらゆる生物・無生物の生と死の記憶
◎縁起、シンクロニシティ 仏教で縁起というと、いかにもとっつきにくいが、それは今はやりのシンクロのことである。 そうすれば、悟りに到達できるかという条件を考えると最後に問題になるのは、如来、来るが如しというが、いつ来るのか、来てくれるのかということと、精神的成熟の問題である。...
View Article最後の審判
◎かつて死んだ者も生きている者も 最後の審判(公審判)というのは、人間が死後中有において、閻魔大王の前で個人的に生涯の善悪の軽重を確定させられて、天国や地獄に行くイベントではなく、この世の生きている人のみならず死んでしまった人すべてが再度呼び出されて、みんなまとめて裁きを受けるもので、キリスト教にある。...
View Article立川武蔵のシャクティ・パット
◎不用意にチャクラを開かぬようよくよく用心すること 密教学者の立川武蔵氏は、1994年12月のある日、ある女性にチャクラを開けてもらった(マンダラ瞑想法/立川武蔵/角川選書P157−163に記事あり)。その女性が言うには、チャクラが開けば次の世に輪廻することはないのだそうだ。...
View Article死をも恐れぬ会津武士
◎生死を離れねば何事も役に立たず NHK大河ドラマ八重の桜で会津武士は死をも恐れず戦った。前回の放送で家老萱野権兵衛役の柳沢慎吾が白装束で割腹直前に、部屋を出ていくときに、室の戸を開け、きちんと90度曲がり廊下の中央を歩いて行ったのには、一瞬のことながら武士の所作の美しさをみせてもらった。武士は大道の中央を歩き、角では直角に曲がるもの。...
View Article知性が神を知解する
◎知性のみが、一者を観る 錬金術の元祖ヘルメースが子タトに、知性が神を知解するメカニズムを諭す。 『さて生れざる一者は、表象されざるもの、不明なるものであるが、万物を表象せしめることにより、万物を介し、万物において現れ、 とりわけご自身のよしとするものに現れるものであることは明らかである。...
View Article神仏を感じる時間
◎誰でも納得できる理屈などはない 出口王仁三郎は、神を拝むのに理屈などはないとした。 この時代に日常生活の中で、神仏を感じる時間は、極めて少ない。照明や娯楽の発達によって、起きている時間は長くなったが、余暇の時間は短く、神仏を感じる時間は更に少ない。 見仏体験のある人、見性体験のある人で、それを維持し大切にしていこうとする人の中には、日常生活即仏法、日常生活即神事になる人も稀にはいるだろう。...
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