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アッシジのフランチェスコ

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◎第二の死

アッシジのフランチェスコは、出家してまもなくの頃、森の中で神への賛美をフランス語で歌っていた時、山賊の一団に襲われた。誰何されて、フランチェスコは、『私は偉大なる王の伝令だ』と答えたものの、はなから相手にされず、金目のものもなかったせいか、さんざんに打ちのめされ、雪がたまった溝に投げ込まれたという。(アッシジの聖フランチェスコ ジャック・ルゴフ/[著] 岩波書店P50)

アッシジのフランチェスコは、若い頃、みすぼらしいサン・ダミアノの小聖堂で神の声を聞いている。

また死の2年前には自分の死を予感している。彼の身体には、晩年にスティグマタ(聖痕)が発生していたが、肉体は眼病、マラリア、胃腸病、結核など多病に苦しんでいた。

最晩年に太陽の讃歌に追加された部分。
『私の主よ、あなたは称えられますように、
私たちの姉妹である
肉体の死によって。
生きている者はだれでも、
死から逃れることはできません。

大罪のうちに死ぬ者は
不幸です。
あなたの、いと聖なる御旨のうちにいる人々は
幸いです。
第二の死が、その人々を
そこなうことはないからです。』
(アッシジのフランチェスコ Century books 人と思想 川下 勝/著 清水書院P183から引用)

この本の注記では、第二の死とは永遠に神から断絶した状態であるとしている。

生きていても個、死んでも個。天国に入ることが是であると考えて、神人合一は異端とされやすい宗教。神人合一して初めて個が滅びる絶望は消滅するが、そこには深入りはしない。

アッシジのフランチェスコは、最晩年に本当にこの一節を書いたのだろうか。死をたたえつつも不信心者や異教徒の不幸を確定的なものとしている。

武漢肺炎の感染者数で中国を抜いたイタリア。アッシジのあるウンブリア州の感染による死者は3月27日で累計24人。

※世界感染者数 トップ3(2020年3月28日6時)
100,717   US
86,498 Italy
81,897 China

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