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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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介象と仙女

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◎捨てきれず

介象元則は、諸子百家の書に精通しており、仙術も修行しており、一里四方で人家で火を焚いても燃えつかなくしたり、人々を坐ったまま起き上がることができないようにしたりした。また自分の姿を草木鳥獣に変ずることもできた。

さて介象は、一層深く仙術を極めようと思い、諸国を遍歴し達道の仙人を捜し歩いたけれど一人も出会わなかった。

そこで彼は思い切って山奥に引っ込み、思いを凝らして正師に出会うことを神に祈っていた。ある日疲れ切って石の上に寝ていると、そこに一頭の虎がやってきた。

彼は、天帝が彼を護衛するためにつかわしたものなら居ても構わないが、山の神が私を試そうとしているなら去れと言うと件の虎は頭を垂れ尾を巻いて去った。

彼が穀山に登るとそこにあまたの石があり、中に鶏卵大の紫の光を放っているのを二つばかり拾って袂に入れ、麓の穀水なる河まで下りた。

穀水の水深が深く、渡れないでいると、年の頃15、6の玉のような美女が現れ、衣服は燦然として五彩を放っている。

彼女はその石を元に戻して来なさい、自分はここで待っていると云うので、介象がそのとおりにすると、果たして彼女はそこに待っていた。

彼女は更に、向こう三年穀断ちして斎戒してここに戻って来いそれまでは妾(わらわ)はここで待っているというので、三年後そこに行くと果たして仙女は待っていた。

彼女は、喜んで一巻の丹書を渡して、これを修行すれば仙人となれると肯った。

だが、仙人修行が完成せぬうちに呉の太守に召し抱えられることになり、結局仙道修行は完成しなかった。

介象の超能力は健在で隠形の術など披露したという。

これは、当ブログでは、あまり高評価していない高級神霊のサポートの逸話。

介象は、完全にはこの世の富貴栄達を捨てきれていなかったので、自分を死んで仙人になることはできなかった。

ダンテス・ダイジは、高級神霊のサポートはあるにはあるが、あまりあてにせぬ方がよいと言っている。また出口王仁三郎には、松岡とか小松林命などの高級神霊のサポートが出てくるが、文字通りの別個の神格なのかどうか疑わしいと私は思っている。

この世でうまいことやろうなどと思っているうちは、超能力が使えるようになったとしても、道にはたどりつけまいということ。

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