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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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ウィネバゴ族のトリックスター

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◎別の天体へと去る鳥

アメリカインディアンのウィネバゴ族は、アメリカのウィスコンシン州、ネブラスカ州に住み、スー語を話す。彼らの伝承では、最初に酋長と民とトリックスターがいた。

酋長はこの世のあらゆるものに弟たちよと呼びかけながら、ひとりでぶらぶら歩きつづけた。彼とこの世のあらゆるものは、お互いに理解し合い、熊やシビレナマズや草も木もお互いの言葉を本当に理解していた。

ここにトリック・スターなるいたずら男が登場し、人生場裡の様々なトラブルを惹き起こしたり、人助けをしたりして、神話群ができている。

トリックスターは、インディアンにとって邪魔になると思われるものは、川筋を変えたり滝を移動したりと、何でも変えた。ある時、彼は突然自分が地球創造者から地球に送り込まれた目的を思い出した。そういうわけで、川沿いの邪魔物は全部取り除き、人々を苦しめているものをすべて殺しては食べた。

最後にトリックスターは、石の釜を作って、「地球で食事をするのも最後だな」と言って大皿で食事をとった。そこはミズーリ川とミシシッピ川の合流点(セントルイス)から近い場所だった。彼はそこを去ってまず大洋の中に入り、それから天に登った。
(出典:トリックスター/ポール・ラディン/[ほか]著/晶文社 ウィネバゴ・インディアンのトリックスター神話)

これは、ウィネバゴ・インディアンの社会開闢から、トリックスターなる覚者が地球外から到来し、地球外へ去る物語。
酋長は、神知る人物で、第六身体アートマンまでの悟りにあり、鼓腹撃壌社会を実現していたのだが、ややもすると民に大悪人と思われていた。というのも、中国の鼓腹撃壌社会よりは、文明がより進化し、精神性において高度に複雑化していたのだろう。つまり古代中国の鼓腹撃壌では、食べられて歌って楽しめれば十分だったのが、それだけでは飽き足らなかったのがウィネバゴ・インディアンの社会だったのだろう。

トリックスターは、地球創造者から送りまれ、地球を去り別の天体へと去るとして登場する。こういう人物は、超弩級聖者だが、その時代には歓迎されないが人類進化には必須なことを勧めるので、必ず迫害される。そして後世には、人類は自分たちがどんなに彼らをひどい目に遭わせたかは伝承せず、聖者の聖性のみを伝えがちである。メルキゼデクのように。

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