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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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桶の底抜けて水たまらねば月も宿らず

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◎一休和尚法語の女人教化

一休和尚法語の女人教化の段から。
心は影形もないものであって、形がないのだから消え失せない。だから生もなく死もない。この点を仏とも金剛とも云う。
無相ではあるが、有(存在する)であるがために、現実のいろいろな出来事は生じては消え、これを無常と説き、あるいは大死と述べて、このことを憐み悲しんで避けられぬ別れと申す。

これは心の本質は不変の実体のない空だと説きながら、変わるステップ滅びるステップに当たっては、必ず悲嘆の感情は伴うものだと説明している。さらにこうしたことがわかることが「大悟り」だとする。この短文にすべて詰め込む一休の、女性への甘さが感じられる。

さらに一休和尚法語から。
美濃の興性寺の千代野の歌。
とにかくに匠(たくみ)し桶の底抜けて
水たまらねば月も宿らず
(様々に禅の工夫をしてきたが、(心という)桶の底が抜けて水がたまらないので、月も宿らない)

この歌では、大悟りはあるが、悲嘆憐みはない。

※美濃の興性寺の千代野:出家して無学祖元に弟子入りして参禅。臨済宗最初の正規の比丘尼となった。

ここでは女性の悟りは説いているが、女性の幸せ、カルマの充足ということには言及していない。

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