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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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時間のない神の世界を往還する時間

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◎スーパーヒーロー一人の力では足りない

元大工のイエスは、明日にも「世の終わり」「最後の審判」が到来するかのように幻視し、その恐怖感がキリスト教を西欧東欧に伝播させるパワーになったことは否めない。だが、イエス一人の力では、聖なる都が神のもとを出て、天から下って来ることができるわけではない。万人が神を知り生命の書に名が記されなければそれは厳しい。

神が全知全能ならば、神一人でこの世を楽園に戻せばいいではないかなど、機能的に考える人もいるのだろうが、人間が神と共に生きる楽園を現実化するには、肉体のレベル、物質のレベルと神のレベルでのコンタクトが必要だ。つまり人間の力がどうしても必要なのである。よって地上天国を具現化するにはイエス一人の力では足りぬ。

宗教系の本を追っていると、人間が神のレベルあるいは天上界に到達するには時間がかかっていることを示す記述に時々出会うことがある。

たとえばムハンマドの天上界往復には、時間がかかった。預言者ムハンマドはある日、自宅から天に昇り、神に出会い、帰還した。

ムハンマドは翼のある天馬に乗って、エルサレムの神殿経由で7層の天界を上昇し、イエスやモーゼに会い、神アッラーから世界のすべてを見せられ、天国と地獄を見て、神と9万回も話をして自室に帰って来た。

その所要時間は、まだベッドのぬくもりが残っていたのは勿論、飛び上がる際に倒した水差しの水はまだ流れ続けていたのだから、10秒未満がよいところだったのではないか。

神の世界は時間のない世界だと言われる。ところがなぜ時間の流れる世界に生きる人間が、時間のない世界にいる神を訪問して帰って来るには、時間が暫時かかるのか?

この点に世界全体を救済するためには、イエス一人、釈迦一人の力ではでは足りないという原理があるのではないか。だから釈迦は人類全員が成仏できるまであの世で待っているなどという話が出てくる。

一人が神仏を知るには、一人分の時間がかかる。神仏を知るには、個人が自分自身で進んで行かねばならないのであって、向こうから来るものではない。神仏を知るのは、神仏のパフォーマンスではなく人間の営為。だから数秒といえども時間がかかるのではないか。

七つの身体論でいえば、Ready?Go!で第一身体肉体から第七身体の神仏で折り返し、第一身体に戻るレースは、ある時点までは時間のある世界で、ある時点までは時間のない世界なのだろうが、それをことさらに示すエピソードが、経典や伝承に残っているのだ。

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