◎精液、経血、糞尿からエリクサー
「インド後期密教 下巻 般若・母タントラ系の密教/松長有慶/編著/春秋社P43-44」にサンヴァラの語義が述べられている。それによるとチベットでは、サンヴァラとは、本来禁戒の意味だったが、最高の楽という意味に転化した。
その理由としては、インド東北部で後期密教が興起した頃(8、9世紀)は、サとシャが音韻的に差異がなくなっていたので、サンヴァラ(禁戒)はシャンヴァラ(最高の楽)と同義となったことを挙げる。
誡
もう一つの理由は、射精を抑制(禁戒)することが最高の楽(サンヴァラ)であるとの含意だそうだ。著者は性快感を高めることに意義があるかのように述べている。
またインド後期密教の四種灌頂の一つ秘密灌頂では、グルの教誡と女性パートナーによって体験される楽がサンヴァラである由。
それはさておき、射精を抑制するというのは、洋の東西、時代の古い新しいを問わず、冥想修行の基本。
インド後期密教の紛れやすい点は、性的快感と女性パートナーの存在、射精を抑制するという老若男女が蠱惑されやすい要素の中に、涅槃ニルヴァーナを隠し置いている点。
この系統の経典は、字義どおりだと糞尿譚みたいなものもあるので、それ自体「字義どおり」読んではいけないということ。それでも意味を取るには字義から入らなければならないというジレンマ。
こうしたものでは、精液、経血、糞尿は頻出だが、インドラ神が、ウッタンカ仙人に対し不死となるエリクサー(アムリタ)をおしっことして与えようとした故事は、象徴的である。
また女性パートナーは、都合が良ければ誰でもよいというわけでもないのは言うまでもない。
「インド後期密教 下巻 般若・母タントラ系の密教/松長有慶/編著/春秋社P43-44」にサンヴァラの語義が述べられている。それによるとチベットでは、サンヴァラとは、本来禁戒の意味だったが、最高の楽という意味に転化した。
その理由としては、インド東北部で後期密教が興起した頃(8、9世紀)は、サとシャが音韻的に差異がなくなっていたので、サンヴァラ(禁戒)はシャンヴァラ(最高の楽)と同義となったことを挙げる。
誡
もう一つの理由は、射精を抑制(禁戒)することが最高の楽(サンヴァラ)であるとの含意だそうだ。著者は性快感を高めることに意義があるかのように述べている。
またインド後期密教の四種灌頂の一つ秘密灌頂では、グルの教誡と女性パートナーによって体験される楽がサンヴァラである由。
それはさておき、射精を抑制するというのは、洋の東西、時代の古い新しいを問わず、冥想修行の基本。
インド後期密教の紛れやすい点は、性的快感と女性パートナーの存在、射精を抑制するという老若男女が蠱惑されやすい要素の中に、涅槃ニルヴァーナを隠し置いている点。
この系統の経典は、字義どおりだと糞尿譚みたいなものもあるので、それ自体「字義どおり」読んではいけないということ。それでも意味を取るには字義から入らなければならないというジレンマ。
こうしたものでは、精液、経血、糞尿は頻出だが、インドラ神が、ウッタンカ仙人に対し不死となるエリクサー(アムリタ)をおしっことして与えようとした故事は、象徴的である。
また女性パートナーは、都合が良ければ誰でもよいというわけでもないのは言うまでもない。