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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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ドン・ボスコの母の教え

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◎主は与え、主は取り去られる。

ドン・ボスコは、フランス革命の影響によりイタリアが飢えに苦しんでいた1815年生まれ。サレジオ会の創始者として知られる。

両親とも農業で生計を立てていた。だが父親は彼が2歳になる前に早逝、母の手一つで育てられた。極貧で恒常的な飢えに苦しむ中、その母の次のような薫陶に見るべきものがある。

『子どもたちを近くの原っばに遊びに行かせる前、「神様はお前たちを見ておいでですよ」と言っていた。

子どもたちが小さな恨みを抱いたり、その場を取りつくろう目的でうそをつこうとしていたりする時、「神様はお前たちの心までお見通しですよ」と諭していた。』
(完訳ドン・ボスコ伝 テレジオ・ボスコ/著 ドン・ボスコ社P35から引用)

『星が美しく輝く時、戸口で夕涼みをしながら彼女は言った。「世界を造り、空にたくさんの星を置かれたのは神様ですよ」。

また、野原が花盛りになると、「神様は何と美しいものを造ってくださったことでしょう」とつぶやくのだった。

麦やぶどうの収穫の時、仕事のあとで一息入れながら母は言うのだった。「主に感謝しましょう。神様は私たちのことを計らって、日
ごとの糧をくださったのですよ」と。』
(上掲書P35から引用)

『そして、嵐やひょうが作物を台無しにしてしまう時でも、母は次のような言葉で子どもたちに考えさせるのだった。「主は与え、主は取り去られる。理由は主がご存じです。私たちが悪かったとすれば、よく覚えておきなさい。神様をあなどるのは恐ろしいことなのですよ」』
(上掲書P35から引用)

全体として、主にひれ伏しおろおろと拝む姿勢があって、神の賜物に一つ一つ感謝していく姿勢がある。善いことをすれば善い報いがあり悪いことをすれば悪い報いがあるというメリット・デメリット観に加え、自分を低く見る姿勢が常にある。

最近の、自分にあった職業を求める流れや、自己実現希求の姿勢や富者を敬う風潮とは別の流れがここにある。これは、世を怨み他人を妬み政府に求めるということすら当たり前と考える人とは全く別の世界観であるが、実は過去2千年のイエスの成功の基盤は、ドン・ボスコの母のこのような訓練にあったのだと、クリスマスの朝に思う。

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