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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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風はこれをその胎の中に運ぶ

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◎逃げるアタランタ

逃げるアタランタから。エンブレム1(風はこれをその胎の中に運ぶ。)の【論議1】。北風は胎児をもたらしたが、その胎児は、きちんと出産し成長すれば、過去の英雄すべてを凌ぐ。

『メルクリウスは神々の使者にして通詞とみなされているが、これは神々の下僕として中間領域をその頭と足の翼で翔けめぐる者という意味でもある。実際それが風をいっぱいに受け、気中を風のように翔けることはしばしば証されている。二匹の蛇が巻きついた杖カドゥケウスを持って。

これには体躯に魂を入れたり引き抜いたりする力があり、これに類した効果は賢者のメルクリウスをうまく代示表現している。

つまり、メルクリウスは硫黄を受け取る風であり、未完成のまま母胎から取り出された胎児(胚)の状態のディオニュソスあるいはエスクラピウス、あるいはこれを成熟させる母胎の燃滓の灰と言ってもよい。』
(逃げるアタランタ/M・マイアー/八坂書房P29から引用)
※エスクラピウス:ギリシャ神話に出てくる医学の神アスクレピオス。

メルクリウスは、水銀にして、ヘルメスにして、猿田彦。ヘルメスは、神と人の仲立ちにして人間をサポートするので、錬金術、密教、クンダリーニ・ヨーガ、古神道では、メッセンジャーであり、運送屋までこなしてくれる。

生死ということであれば、ヘルメスは魂の出し入れまでするとマイアーは断言している。またどんな貴種の胎児であっても、成熟し出産してこなければ流産となり、また出生後の人生が曲がってしまえば失敗である。そこでヘルメスとは、胎児そのものであり、それを臨月まで成熟させる熾火の灰でもあるとする。

逃げるアタランタのエンブレムは全部で50であり、25×2と本物の香りがする。

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