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呂洞賓の10のテスト−1

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◎無私と打算

呂祖全集などに道教のスーパースター呂洞賓の受けた10のテストが載っている。

最初は黄粱一炊の夢。そして10のテストの前半部。

呂洞賓は、唐代、山西省蒲坂県永楽鎮の人で、海州刺史呂譲の子と伝えられている。幼少より聡明で、科挙に行く途中に、仙人の鍾離権に出会い、修行の道に誘われたが、出世の夢を捨てられず断った。

 その日、鍾離権と一緒に宿泊した呂洞賓は、黄粱を煮る間に夢に入った。夢の中で、彼は科挙に合格して出世し、二度、裕福な家庭の娘と結婚し、たくさんの子供をもうけた。さらに40年後、一国の丞相となり、10年の間の国家を牛耳った。しかし、その後、罪を犯して、家財をすべて没収され、家族は離散し、一人で荒野をさまようことになった。

 鍋の黄粱(こうりゃん)が煮え切らぬうちに、夢から覚めた呂洞賓に、鍾離権は「先の夢に、浮き沈みと栄辱のすべてが示されたであろう。50年は一瞬であり、昇ったり下ったり、栄華を極めたり恥辱を受けたり、いろいろのことがあっても、世人の一生はまるで一つの夢に過ぎない」と語った。この話を聞いた呂洞賓は、鍾離権について救世の術を求め修行することを決心した。

テスト1
 呂洞賓がしばらく家を不在にして遠方に旅して後、帰宅したところ、家族が全員病に倒れ、亡くなっているのを目にした。彼は動揺することなく、棺桶をそろえ火葬の準備をした。すると、たちまちにして死んでいた家族が生き返った。

テスト2 
 呂洞賓が市場で物を売っているとき、客と交渉して売買の価格が決まったが、買手はその値段の半分しか払わなかった。これに対して呂洞賓は、何も言わずに商品を買手に渡した。

テスト3
 ある日、家の前に1人の乞食が来たとき、呂洞賓はすぐに金や物を上げたが、乞食は感謝するどころか、却って布施が足りないと言って呂洞賓を罵った。これに対して、呂洞賓は何度も笑顔で謝まった。

テスト4
 呂洞賓が山中で羊を放牧していたとき、空腹のトラが猛烈な勢いで駆けてきて羊の群れを追った。呂洞賓は羊の群れとトラの間に立ち、羊を守ろうとしたところ、トラはそこから離れた。

テスト5
 呂洞賓が山中のあばら家で読書していると、一人の18歳ぐらいの絶世の美女がやってきた。帰宅する途中で道に迷い、日も暮れたので、この家で休ませてほしいと言った。呂洞賓は承諾した。夜になると、この女性はあの手この手で呂洞賓に迫って、一緒に寝るよう求めた。呂洞賓は心を動かすことなく固く断った。この女性はこうして3日間呂洞賓につきまとったあと、立ち去った。

第一のテストは家族が生き返ったがそれはまずあるまい。話全体をオブラートに包んで不条理のショックを緩和している。ヨブ記に似ている。

第二、第三のテストでは悪人に理不尽な仕打ちを受けても反撃しないのは、相手もよくよくのことだろうと斟酌しないとできる業ではない。

第四のテストでは、誰も見ていない場所での無私である。これは現代人が最も欠くところ。

第五のテストでは、釈迦やイエスの成道前の誘惑みたいに誘惑がやってきた。この段階では、天国的なものを求めていたからこそ、これが起きたのだろう。

(続く)


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