◎神知らぬ民草のできることと結果
第二次世界大戦末期の皇居の空襲被害については、あまりまとめて書かれたものを見たことがなかった。戦後になっても、いろいろと憚られることが多かったのだろう。
『日本史の内幕/磯田道史/中央公論新社』では、宮内省主馬寮職員の日誌に次のことが書いてある由。
『最初の被害は二月二十五日で「主馬寮分団・厩舎区に焼夷弾約百五十発落下」「火 災を発生せる箇所、御裁縫所・済寧館(道場)前倉庫・・・用度課倉庫・内閣文庫(書 庫)・御局(つぼね)等焼失」。
二度目は三月十日の大空襲。「庁舎に対しては集団的焼夷弾の落下「あり」。宮内省主馬寮は全焼した。
三度目は四月十三日で、皇室一家にミルクを提供する御料乳牛場の飼料庫などが焼け た。この日、雅楽奏者の職員等が焼死し、霊柩が二つ、宮内省内にならんだ。四月二 十九日の昭和天皇の誕生日の拝賀行事もたびたびの「(空襲)警報発令中、取止め」と なっている。
四度目の五月二十五日の大空襲で「大宮御所・各宮邸(久邇宮家を除く) にも火災」「遂に宮城(皇居)表御座所(執務室)外、烏有に帰し多数の犠牲者(三三人)を出すに至る」。皇居は四度の空襲で宮殿をほぼ失った。
こんなふうだから、この頃、皇室の男子は全滅の危険をさけるため一か所におらず分 散させられていた。』
(上掲書P47-48から引用)
※焼夷弾とはナパーム弾のこと。
米軍の空襲で焼け野原になったのは、民草の居住地ばかりと思っていたが、皇居宮殿も焼け野原になっていたとは!
五月二十五日の大宮御所消失で住人であった貞明皇太后から終戦の要望も出されていたことも伝えられているが、実際の終戦は、2か月後の原爆投下とソ連参戦を待たねばならなかった。
ウクライナもそうだが終戦は、戦場となった国の都合よりは、攻撃国の都合優先で決まるものだろう。惨禍を蒙るのは、戦場となった国の民草である。
皇居がこんな具合になって、皇統断絶を恐れ、当時皇太子だった平成天皇などが全国に分散疎開された由だが、悠仁様の代は、分散などできず、対応に窮するのではないか。
日本人には、家系の先祖代々の氏神があって、土地の産土(うぶすな)神があって、都道府県の一の宮があって、伊勢神宮があって、国体としての天皇がおわします。
そういうヒエラルキーも都市集中、核家族化と家庭の崩壊分解、高齢化、少子化で大分こわれてきてはいる。
だが、日本人なら清明(きよあけ)き心である大和魂がその根底にあることを無意識に感じるものなのではないか。時はクリスタル・ピープルなる水晶魂(すいしょうみたま)の時代ではあるが、それは漫然として成るのでなく、日々の善行と冥想による。
第二次世界大戦末期の皇居の空襲被害については、あまりまとめて書かれたものを見たことがなかった。戦後になっても、いろいろと憚られることが多かったのだろう。
『日本史の内幕/磯田道史/中央公論新社』では、宮内省主馬寮職員の日誌に次のことが書いてある由。
『最初の被害は二月二十五日で「主馬寮分団・厩舎区に焼夷弾約百五十発落下」「火 災を発生せる箇所、御裁縫所・済寧館(道場)前倉庫・・・用度課倉庫・内閣文庫(書 庫)・御局(つぼね)等焼失」。
二度目は三月十日の大空襲。「庁舎に対しては集団的焼夷弾の落下「あり」。宮内省主馬寮は全焼した。
三度目は四月十三日で、皇室一家にミルクを提供する御料乳牛場の飼料庫などが焼け た。この日、雅楽奏者の職員等が焼死し、霊柩が二つ、宮内省内にならんだ。四月二 十九日の昭和天皇の誕生日の拝賀行事もたびたびの「(空襲)警報発令中、取止め」と なっている。
四度目の五月二十五日の大空襲で「大宮御所・各宮邸(久邇宮家を除く) にも火災」「遂に宮城(皇居)表御座所(執務室)外、烏有に帰し多数の犠牲者(三三人)を出すに至る」。皇居は四度の空襲で宮殿をほぼ失った。
こんなふうだから、この頃、皇室の男子は全滅の危険をさけるため一か所におらず分 散させられていた。』
(上掲書P47-48から引用)
※焼夷弾とはナパーム弾のこと。
米軍の空襲で焼け野原になったのは、民草の居住地ばかりと思っていたが、皇居宮殿も焼け野原になっていたとは!
五月二十五日の大宮御所消失で住人であった貞明皇太后から終戦の要望も出されていたことも伝えられているが、実際の終戦は、2か月後の原爆投下とソ連参戦を待たねばならなかった。
ウクライナもそうだが終戦は、戦場となった国の都合よりは、攻撃国の都合優先で決まるものだろう。惨禍を蒙るのは、戦場となった国の民草である。
皇居がこんな具合になって、皇統断絶を恐れ、当時皇太子だった平成天皇などが全国に分散疎開された由だが、悠仁様の代は、分散などできず、対応に窮するのではないか。
日本人には、家系の先祖代々の氏神があって、土地の産土(うぶすな)神があって、都道府県の一の宮があって、伊勢神宮があって、国体としての天皇がおわします。
そういうヒエラルキーも都市集中、核家族化と家庭の崩壊分解、高齢化、少子化で大分こわれてきてはいる。
だが、日本人なら清明(きよあけ)き心である大和魂がその根底にあることを無意識に感じるものなのではないか。時はクリスタル・ピープルなる水晶魂(すいしょうみたま)の時代ではあるが、それは漫然として成るのでなく、日々の善行と冥想による。