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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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インサイド オーディンの箴言

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◎人生訓に仮託して

北欧の古い伝承にオーディンの箴言というのがある。大半は、人生訓として読ませることで、背後に潜む秘教的な意味をぼかしているように思える。人生訓になぞらえることで、箴言が数千年の永きにわたり伝承されることを図ったのではないか。秘教的内容のままでは、別天地のことだから、分別ある人によって、簡単に忘れ去られる。

○たとえ仲がよくても、酒席では争う人が多いもの。人々のいさかいは永遠につづき、客は客とすぐにけんかを始める。
(中世文学集(筑摩世界文学大系10 エッダのオーディンの訓言)P20から引用)

※インサイド:悟っていない人ばかりなる世の中は、ほろ酔い加減の人ばかりみたいなもの。あなたと私は、その世界では永遠に一緒になることはなく、いさかいは永遠に続く。

○偽りの友のあいだでは、5日間、火よりもあつく友情がもえさかる。6日目になると火は消えて友情はすっかりと冷えてしまう。
(上掲書P21から引用)

※インサイド:友情はあなたと私が別々である世界で成立するもの。あなたと私が別々である世界は、コーザル体=第五身体まで、それが5日間。6日目は第六身体=アートマンであり、あなたと私の区別はないから、友情などない。

○夜になったら昼をたたえよ。焼かれてしまったら女を、試してから剣を、嫁に行ってから娘を、渡り終えてから氷を、飲んでしまってから酒、をたたえよ。
 (上掲書P21から引用)
 
※インサイド:死の世界を知らないと生の世界の真価はわかるものではない。そのたとえとして、それぞれのものの両方の側面を知ってからたたえよと、卑近な例を挙げる。


文字通りに読むのが、文献考証の基本なのだろうが、そういう目で読まないとオーディンの意図はわからないのでは。老子などもそういうところがあるのではないか。高き者、オーディンともあろう者が、世俗の人生訓をわざわざ残すはずもなし。彼らは、時間のない世界からアドバイスするのが定石である。






悟りとは何か

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