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Channel: アヴァンギャルド精神世界
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鈴木正三

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◎二王禅

鈴木正三は、大阪夏の陣に徳川秀忠の先陣として参戦した三河武士であって、40歳で出家し、77歳まで生きた。日本の有名禅者には挙げられることが多いが、その悟境は、いかがなものだろうか。

出家して数年は麦粥麦飯だけで諸国を行脚していたが、栄養失調で病気になり、どの医者も見はなして、臨終が近いことをさとるようになった。

ある日親せきの医者にみてもらったところ、肉食すれば治ると聞いて、それなら死人の肉でも食べるぞと肉食を始め、2年で本復した。
これについては周辺からことごとく非難されたが、彼は自分のことは「恥知らずの正三」などと自嘲していた。

肉食は殺生だが、ダライラマも肉食していることだし、何かの拍子に肉食することはあるかもしれないが、一休の破戒に見られるように大悟した者がそういうことをする場合には、理由がある。

鈴木正三は、二王禅といい、眼を据えこぶしを握り、歯ぎしりして、きっと張りつめて坐る禅を提唱した。

これは只管打坐の坐り方ではないが、こういうのを他人に勧めるというのはどうなんだろうか。彼は初心者には寺の入り口の仁王像を手本に坐禅せよとも言った。

肉食を評価するには、行為そのものより、まずその人物を見きわめねば評価はできない。
鈴木正三は、戦国時代の合戦を生き抜き、生死を多数見てきたといっても、戦士がすべて悟っているわけでもない。

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