ユダヤ第二神殿の破壊
◎放浪の代価 ユダヤのディアスポラ(離散)のきっかけというのは二回あって、一回目は、紀元前586年のバビロン捕囚がきっかけであって、二回目は紀元70年のユダヤ戦争後におけるユダヤ第二神殿の破壊である。ユダヤ第二神殿の破壊時には既に離散ユダヤ人という人々が存在していたが、こんどはいわばユダヤ人全体が離散することになったのである。...
View Article人間としてやってはいけないこと-2
◎中東の未来図 国家分割とか国家統合は、住民の意向を無視してはやってはならないが、中東全体でそんなことを考えているのはアメリカと欧州だそうだ。 “新たな中東”という概念は、2006年6月コンドリーザ・ライス国務長官がテル・アヴィブで発表したのが初めらしいが、これに沿う形でのNATOで使われている地図がこれ...
View Article謝れば許される国
◎言向け和(やわ)す 謝ったら許す国は、どうも日本だけだ。 中国人・韓国人は、過ちをしでかしても絶対に自分の非を認めない。マグレブからトルコに始まりインドネシア・マレーシアに終わるイスラム圏でも、過ちをしでかしても絶対に自分に落ち度があることを認めて謝ったりしない。...
View Articleどのマントラが秀逸か
◎マントラはシッディと解脱のために 古神道ではこれだけ懇切丁寧に言霊の効果の相違を説くのに、マントラとして用いるには、マントラは何でも良いという。このあたりにマントラ・ヨーガあるいはマントラ禅の狙いどころが霊的なものではないことが端的に現れている。 シヴァ・サンヒターのヨーニ・ムドラーの段から。 『四・九-一三...
View Article盤珪禅師の坐り方
◎飢えも厭わず横にならずに坐禅する 盤珪は、兵庫県の人。10歳で父と死別。大学を素読するに、「大学の道は明徳を明らかにするにあり」というところが不明で、ひっかかった。近所の儒者に問うたところ、禅僧が知っておろうということで依然明徳の何たるかは明らかにならなかった。 17歳で出家して、、赤穂の臨済宗妙心寺派随鴎寺に入った。...
View Article鈴木正三
◎二王禅 鈴木正三は、大阪夏の陣に徳川秀忠の先陣として参戦した三河武士であって、40歳で出家し、77歳まで生きた。日本の有名禅者には挙げられることが多いが、その悟境は、いかがなものだろうか。 出家して数年は麦粥麦飯だけで諸国を行脚していたが、栄養失調で病気になり、どの医者も見はなして、臨終が近いことをさとるようになった。...
View Article生涯未悟だった雲巌
◎語らないことを大切に 雲巌は、大物である洞山の師匠だったが、生涯未悟だった。 現代人はほとんどが未悟である。 雲巌の兄弟であった道吾は、既に開悟していたが、南泉の和尚のもとで雲巌と一緒に修行していた。 ある日南泉和尚に道吾が、あなたの名前は何かと問われた。 道吾「宗智と申します。」 南泉「智がいたらないところを、どのように根本(宗)とするか」 道吾「決して言語表現してはなりません」...
View Article公案と只管打坐
◎道元の判定 正法眼蔵随聞記巻六で、侍者懐弉が、公案禅と只管打坐とどちらを好むべきでしょうかという質問をした。 道元は、 『公案を見ていささかわかったようであっても、それは仏祖の道に遠ざかるやり方である。得ることもなく、悟ることもなく、端座して時を移せば、それが仏祖の道の道である。...
View Article賀古の教信沙弥
◎教信の遺骸は裏の林に晒された 親鸞が晩年に、「わたしは賀古の教信沙弥そのままになりたい」と平素から口癖のように言っていたという。 その賀古の教信沙弥は、親鸞の4百年前9世紀頃の在家の古い念仏者で、妻帯しながら、極貧の生活をした人物。沙弥とは、十戒を受けてはいるものの、具足戒を受ける以前の14歳以上20歳未満の男性の出家者。...
View Article混沌とし始めた世界
◎生活と世界の激変は近い かつては盤石を誇ったアメリカとサウジアラビアの関係も、例の新中東未来地図をもとにしたアメリカのイラン宥和、サウジとイスラエルないがしろ路線がたたり、いまやサウジの隣国イエメンで地上戦が始まろうとしている今、サウジアラビア国王がオバマ大統領との首脳会談をドタキャンするという前代未聞の事件が発生した。...
View Article預言者郷里に容れられず
◎すべてを捨て去った後 「預言者郷里に容れられず」とは、聖書ルカ伝にある言葉で、イエスが「はっきり言っておく。預言者は、自分の故郷では歓迎されないものだ」と語ったのが出典。 同じような話が、多くの有力弟子を輩出した唐代の禅者馬祖についてもある。 馬祖は、709年四川省成都にほど近い漢州の生まれ。...
View Article仰山慧寂の発心
◎異常心理と無私 仰山慧寂は、中国唐代の禅僧で、807~883年の人。武宗(840-846)の会昌の破仏に遭って寺を破却され、頭を布で隠して、民衆になりすましていた時代があった。六祖慧能の系流を継ぐ。 仰山は15歳の時に両親に出家を申し出たが、両親は許さなかった。 17歳になって仰山は再び出家を許してくれるように願い出たところ、両親はやはり躊躇していた。...
View Articleメガ・チャーチ
◎面白うてやがてかなしき 宗教好きなアメリカ人は、ヨーガをやって、ロハスして、禅をやっているのかと思いきや、今や大統領選挙にも影響を与えるキリスト教保守派のメガ・チャーチというのがあるらしい。 日本では、韓国系メガ・チャーチの指導者が民事・刑事犯罪を犯しては、新聞沙汰になっているのが知られているが(ブログ“現代の風景 - 随想...
View Article破壊と進化
◎白い蠍、黄色い蠍。 1961年10月ソ連は史上最大規模の水爆実験を行った。これは50メガトン水爆であり、40キロ離れたレンガ造りの建物が爆風でなぎ倒され、800キロ離れた窓ガラスが衝撃波で割れた。 これだけ被害規模が大きくなると、着弾点が目標から40キロ逸れても命中になるし、なにより命中精度が問題にならないほど破壊力が巨大であるということ。...
View Article日本でのキリスト教信者の首相誕生
◎宗教は為政者の道具 世の中で本当の宗教に興味のない人は多いが、そんな人が宗教をどのように見ているかが、次のマッカーサーの言で推し量ることができる。 社会党の片山哲が首相になった翌日の1947年5月24日、マッカーサーが日本国民向けに次のようなメッセージを出した。 『マッカーサーは、キリスト教徒の首相誕生の重要さは日本だけに限られたものではないと信じ、...
View Article中国の邪視、邪眼など
◎日本でもねたみ、やっかみは盛ん 2015年5月12日、国連本部で開催中の核不拡散条約(NPT)再検討会議で、核軍縮を扱う委員会が、最終文書では、世界の指導者らに被爆地を訪ね、被爆者の証言を聞くよう提案した部分が、中国の横やりで丸ごと削除された。...
View Article十字架のヨハネの神の観想の極致-1
◎誰にも見られず、何も見ないで 十字架のヨハネの「暗夜」は神の観想の極致を述べたものである。400年も前にこのような研ぎ澄まされた純粋な観想についての著述があることをとても幸運に思う。 『第三の歌 この幸いな夜に 誰にも見られず、何も見ないで、 ひそかに私は出て行った 心に燃え立つ光の他には 何の光に導きもなしに 説明...
View Article十字架のヨハネの神の観想の極致-2
◎この真暗な闇 『3、第二の特質は、この夜の霊的闇に基くものである。その闇の中では、霊魂のより優れた部分の諸能力は、闇に包まれている。 霊魂は、何も見ず、また、何も見ることができないので、神のところへ行くためでなければ、神以外のものには、何ものにも留まらない。...
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