◎ウィーンの錬金術協会
落ちた流れ星は天から来るものであり、自分ではどうしようもない。朝の露はいわゆる天の露。星の汗というからには、肉体レベルのものではなく、それは、生命の霊液エリクシールを含むとする。いずれもとてもロマンチックな比喩だが、それには人間を根源から惹きつける魅力がある。それらが修道・冥想だと言ってはならないほどに欧州は強欲な連中が多かったということだろう。
以下はその錬金術師のこと。
『ヴィーンには、一七八二年から一七八三年のあいだに、「高貴、賢明、高尚、卓越せる流れ星の騎士」という大げさな名前をつけた錬金術協会があった。集会は週に二、三度、特に晩秋の寒く澄んだ夜に開かれた。 場所はヴィーン郊外にあったさる伯爵の広い領地であり、常に秘密裡に行われた。この協会のグランド・マスターは当時の著名で勇猛な将軍であり、皇帝の寵臣でもあったと言われる。
武装した従僕たちが、集会の開かれているあいだ出入口を守り、合言葉を知らない者は誰一人として通さなかった。しばしば会員たちはそれぞれ馬に乗って、落ちた流れ星を夜を徹して捜し回った。彼らが戦利品を待ちこがれている仲間のもとに持ち帰ると、仲間たちはそれを丸い容器に入れて金に変わるのを待った。
この「落ちた流れ星」というのは、朝の露を意味する。朝の露は、星の汗から生まれ、「生命の霊液」を含むと考えられていた。「生命の霊液」はまた、肉体の分泌液にも含まれている。露の使用については、現代の錬金術師であるアルマン・バルボーの『千の朝の金」【フランス語版一九六九年、英語版一九七五年】に興味深い説明がある。』
(薔薇十字団/クリストファーマッキントッシュ/平凡社P108から引用)
落ちた流れ星は天から来るものであり、自分ではどうしようもない。朝の露はいわゆる天の露。星の汗というからには、肉体レベルのものではなく、それは、生命の霊液エリクシールを含むとする。いずれもとてもロマンチックな比喩だが、それには人間を根源から惹きつける魅力がある。それらが修道・冥想だと言ってはならないほどに欧州は強欲な連中が多かったということだろう。
以下はその錬金術師のこと。
『ヴィーンには、一七八二年から一七八三年のあいだに、「高貴、賢明、高尚、卓越せる流れ星の騎士」という大げさな名前をつけた錬金術協会があった。集会は週に二、三度、特に晩秋の寒く澄んだ夜に開かれた。 場所はヴィーン郊外にあったさる伯爵の広い領地であり、常に秘密裡に行われた。この協会のグランド・マスターは当時の著名で勇猛な将軍であり、皇帝の寵臣でもあったと言われる。
武装した従僕たちが、集会の開かれているあいだ出入口を守り、合言葉を知らない者は誰一人として通さなかった。しばしば会員たちはそれぞれ馬に乗って、落ちた流れ星を夜を徹して捜し回った。彼らが戦利品を待ちこがれている仲間のもとに持ち帰ると、仲間たちはそれを丸い容器に入れて金に変わるのを待った。
この「落ちた流れ星」というのは、朝の露を意味する。朝の露は、星の汗から生まれ、「生命の霊液」を含むと考えられていた。「生命の霊液」はまた、肉体の分泌液にも含まれている。露の使用については、現代の錬金術師であるアルマン・バルボーの『千の朝の金」【フランス語版一九六九年、英語版一九七五年】に興味深い説明がある。』
(薔薇十字団/クリストファーマッキントッシュ/平凡社P108から引用)