◎生還以前
8月上旬は、戦争がらみのテレビ番組が多い。今年はディープな内容の話が多かったが、NHKで、軍医が病院撤収にあたり、移動できない負傷兵を殺害する話が二本あった。
一つは満州チャムスの陸軍野戦病院がソ連の満州侵攻で南に移動する際、移動できない入院中の負傷兵を軍医が次々に注射で殺害していった話。これは看護婦がシベリア抑留された話の中で出てきた。殺された人数も百人単位だったように記憶する。
もう一つは少年兵で組織された沖縄の護郷隊の話。恩納岳山頂の野戦病院移動時に、自力で移動できない負傷した少年兵を軍医が銃で射殺した話。
戦前は国際赤十字の枠組みに入っていたかどうか知らないが、そもそもそうした制度を利用しようという発想以前に、残留した負傷兵から情報が敵軍に漏れるのを懸念して、「生きて虜囚の辱めを受けず」という名目のもとに、このようなことを行ったのだろう。
中国やアメリカが戦わない味方兵士に向けて後ろから自軍兵を銃撃する話があったが、どちらも兵を人間扱いしていないことに変わりない。戦争というのはそういうものなのだろう。
戦争神経症とか、シェルショックが問題になるのは生還した人たちだが、生還できない人の中には語るに語れない事情の人もいることを知った。
少年の戦力化というのも、中野学校の発案らしいが、一生精神のアンバランスというか裂け目を負わせることになるので、罪なことであった。
8月上旬は、戦争がらみのテレビ番組が多い。今年はディープな内容の話が多かったが、NHKで、軍医が病院撤収にあたり、移動できない負傷兵を殺害する話が二本あった。
一つは満州チャムスの陸軍野戦病院がソ連の満州侵攻で南に移動する際、移動できない入院中の負傷兵を軍医が次々に注射で殺害していった話。これは看護婦がシベリア抑留された話の中で出てきた。殺された人数も百人単位だったように記憶する。
もう一つは少年兵で組織された沖縄の護郷隊の話。恩納岳山頂の野戦病院移動時に、自力で移動できない負傷した少年兵を軍医が銃で射殺した話。
戦前は国際赤十字の枠組みに入っていたかどうか知らないが、そもそもそうした制度を利用しようという発想以前に、残留した負傷兵から情報が敵軍に漏れるのを懸念して、「生きて虜囚の辱めを受けず」という名目のもとに、このようなことを行ったのだろう。
中国やアメリカが戦わない味方兵士に向けて後ろから自軍兵を銃撃する話があったが、どちらも兵を人間扱いしていないことに変わりない。戦争というのはそういうものなのだろう。
戦争神経症とか、シェルショックが問題になるのは生還した人たちだが、生還できない人の中には語るに語れない事情の人もいることを知った。
少年の戦力化というのも、中野学校の発案らしいが、一生精神のアンバランスというか裂け目を負わせることになるので、罪なことであった。