おしゃべりの中に悟りなし
◎悟れる保証などない。だが、それでも坐るのだ。 テレビ、ラジオ、ネット。音声の出る出ないの違いはあるが、おしゃべりな時代だ。耳からのおしゃべりや、頭の中のおしゃべりの中に悟りはない。 そのことを指し示す禅問答は多いが、現代人がその問答を聞いたら、論理的ではないとか、懇切丁寧な説明が不足しているなどと思うに違いない。 ある僧が、質問した。「言葉で言い表すことの難しい教えとはどのようなものですか」...
View Article母の恩を捨てる
◎六祖慧能 禅の六祖慧能は、広東の新州の人である。幼少時に父を喪い、老母に養育されて成長した。長じては木こりを生業にして暮らしていた。 あるとき町中の街頭で経文を耳にしたときに、たちまち老母を捨てて、出家生活に入った。 二祖慧可が臂を切り落とすのがたとえ簡単だとしても、これまでに養い育ててくれた老母の恩を捨てるのは、大変難しいことだ。この恩知らずぶりは軽軽なことではない。...
View Article梁の武帝の最期
◎死にざまをコントロールできない 梁の武帝と言えば、達磨に「朕は、人を救い、寺を造営し、写経し、仏像を作らせた。どんな功徳があるだろう」と自慢げに問うたところ、功徳はないと一蹴された御仁である。...
View Article出口王仁三郎の入蒙の評価
◎日本大衆の深いレベルの情動動かす 出口王仁三郎の霊界物語全81巻で、入蒙記は別巻とされ、特別な位置づけである。なぜそうなのか。理由がようやくわかった。...
View Article高原地帯に展開する次代の住宅
◎大減少する人口 出口王仁三郎の見た次の時代。 「あまり悲惨でよう言われんわい」という大破壊の時期が過ぎて、時代再建も落ち着いてくると、人の住宅は高原地帯になる、大阪で言えば生駒山あたりで、平地は皆田地であって、交通機関を十分発達させて、仕事をしに平地に降りてくる。一日の労働時間は3時間くらい。 大都市は10万人くらいで、それが山陰に一つ、山陽に一つくらいの密度で分布。...
View Article艮からの風
◎米中直接対決 10月に季節外れの台風がオホーツク海に向かったと思ったら、次々に強力低気圧が発達して、北海道は荒天に見舞われている。 出口王仁三郎の言に 「艮の雲 艮の風は、激しくても物を破壊しない。お父さんが怒られるようなものである。 艮に出た雲は警告の雲である。」(新月の光(上巻)/木庭次守P109から引用)...
View Article中山忠光卿のこと
◎公卿主導の攘夷の夢 NHK大河ドラマ「花燃ゆ」では、天誅組のことは何も触れられていなかった。その天誅組の本を3冊くらい看てみた。 尊王攘夷と一口に言うけれども、薩摩の尊王攘夷、長州の尊王攘夷、急進公卿の尊王攘夷、漸進公卿の尊王攘夷とあって、中山忠光卿は、急進公卿に分類すべき人物であって、薩長土ですら、その急進ぶりに狼狽する場面が多々あった。...
View Article悩み
◎喜ぶこともなく、悩むこともない カクダが釈迦に問う。 『〔カクダいわく〕「修行僧よ、あなたが悩むことがないのは、どうしてですか?喜びが存在しないというのは、どうしてですか? 独り坐っているあなたに、不快が襲うことがないのはどうしてですか?」 〔尊師いわく〕 「悩みの生じた者には、喜びが起こる。喜びの生じたものには、悩みが起こる。...
View Article中国4千年の汚職スケール
◎日本の清廉の風 後漢といえば、三国志の直前の時代。日本は素朴な弥生式土器で暮らしていた質素な時代。 中国では、その時代から既に、現代の中国共産党幹部の数兆円の資産形成にも劣らぬ貴族がいた。その名を梁冀という。...
View Articleレバンドフスキの9分間で5ゴール
◎神に入る サッカーのブンデス・リーガで、8分59秒間に5得点したバイエルンミュンヘン所属のポーランド人フォワードのレバンドフスキの試合後の発言。 「サッカーでは時に何でも思い通りになる瞬間があって、そうなると集中力が保たれ、すべてのゴール・チャンスを決めることができます。」 レバンドフスキの特徴は、フォワードとしては万能タイプであり、ワンタッチ・シュートの成功率が高いこと。...
View Articleケルトのアトランティス
◎巨石文明はあるが神話なし 10月31日には、ケルトのお盆であるサワーンの夜(ハロウィン(Halloween))。ケルトにもアトランティス伝承がある。 『アトランティス神話 もう一つケルト人好みのテーマを眺めてみよう。これを見れば上の例とは逆に、海峡をわたって物語が膨らんでいったさまが観察されよう。...
View Articleイチイの木
◎死の世界への入り口 イチイの巨木の外見はグロテスクだ。ホラー映画やサイコ映画でよく出てくる。ケルトでは古い教会のわきにイチイの巨木があり、大方は教会創建当時のもの。 古代ケルトの王たちは、生命の転生、永続する存在の輪を意味する木製のブローチを身に着けていたが、この素材がイチイ。だからイチイは、「知恵の魔力」「王の輪」という別称を持つ。円環は、一円相であり、ウロボロス。...
View Articleリンゴの島アヴァロン
◎異界への入口 アーサー王伝説では、カムランの激しい戦いの末、戦場に残ったのはアーサー王、その配下のルーカンとベディヴィア、モルドレッド卿のみとなった。モルドレッド卿との一騎打ちの末、ついにアーサー王は槍でモルドレッド卿を討ち果たしたが、アーサー王もまた瀕死の重傷を負った。三人の湖の乙女が、アーサー王を船でリンゴの島アヴァロンに運んだ。...
View Article開化天皇
◎若人の奮い立つべき時は来ぬ 出口王仁三郎は、「開化天皇を知らずして、霊界物語がわかるものではない」とした。 でも、『日本書紀』『古事記』とも、第9代開化天皇の事績に関する記載はない。 出口王仁三郎によれば、開化天皇は、若倭根子日子大毘毘命(わかやまとねこひこ-おおひひ)であり、若き日本の根本の神様であり、世界を統一する神様であるという。...
View Articleルドルフ2世のマニエリスム
◎神秘の開示 学生時代にマニエリスムの本を読んだが、その絵画は複雑で技巧に走り過ぎ、とても感心できる代物ではなかった。しかし、いまマニエリスムの一つである、ジュゼッペ・アルチンボルドの連作を見てみると、カルマあるいは前世がこの世を形成してきているというストラクチャーをそのものズバリで表現し得ていることから、ある種の完成度を持っていることに感心させられてしまう。...
View Article中国という現実感覚
◎大観園の解剖=戦前の中国のアヘン窟 日本では上水道が行き渡り、山中などよほどの不便なところでない限りは、手汲みの井戸にお目にかかることはなくなった。 私の少ない経験で言えば、水の悪い中国での生活に対して、昭和10年代の生まれくらいの人まではあまり抵抗がなかったように記憶している。水事情が悪ければ、風呂もシャワーもなかなか浴びれない。...
View Article国家鎮護―後七日御修法
◎空海と日本人の安閑 後七日御修法とは、もともと弘法大師空海が開始せられた真言宗による国家鎮護の御修法である。 宮中にては、正月1日~7日に神事をとり行うのに対して(先七日)、正月8日~14日の後七日に行われる仏事すなわち国家鎮護の御修法を後七日御修法と呼ぶ。...
View Article女性哲学者ヒュパティアの惨殺
◎キリスト教徒によるアレクサンドリア図書館の破壊 2009年のスペイン映画「アレクサンドリア」は、5世紀にアレクサンドリアで活躍した新プラトン主義哲学の天文学者・数学者であったヒュパティアの物語。彼女を天文学者、数学者の側面だけで見ると誤解しがちだが、この映画でも彼女が無神論であると烙印を押していた。...
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