うしかひ草のアートマン
◎長月-◎牛を忘るる うしかひ草は十牛図の和製12段版。うしかひ草のアートマン相当部分は以下。 『牛を忘るる 長月なかば、あれたるのべのつゆしげきにて、 ててらのすそをそぼちつつ、家ぢはるかに、ゆくほどに、袖ややさむき、かざしぐれに、うらがれの、山べはるばるのどけしや。谷の音などききなれて、こゑおかしく、一ふし、えならずうそぶきなどしけるほどに、やまびこもこたヘぬ。...
View Article一休のアートマン
○本来もなき古(いにしえ)の我なれば 一休水鏡は一休没後の成立だとされているが、まったく後人の作ばかりということではなくて、当時巷間一休の作と伝えられていたであろう作品がいくつか含まれているとも言われている。 要するにその作品の描いている世界の格調によって、一休の真作かどうか見当がつくと見られているのだ。 本来もなき古(いにしえ)の我なれば 死に行く方も何もかも無し...
View Article白隠のアートマン
○白隠のアートマン 生死はすなわち涅槃である。これこそが世界が変わったということである。 白隠が、32歳の時、夢に母が現れ、直径5、6寸の古鏡を左右の手にそれぞれ1枚ずつくれた。最初は右手の古鏡は光り輝き、その光が心の奥底はおろか山河大地をも底のないほどに照らし抜くほどだったが、左手の古鏡は輝かなかった。そして突然左の古鏡が右の古鏡よりも百千億倍にも輝くように感じた。...
View Article至道無難のアートマン
◎十牛図第四図から第七図まで 江戸時代の禅僧至道無難が、第四図得牛から第七図忘牛存人までのポジショニングを説明してくれている。(龍沢寺所蔵法語による) 1.ある頭の良い子供が仏のことを問うたので、そこで坐禅をさせたら、何の心もなくなった。それを常に守れば良しと教えて、しばらくたってから、いろいろになった心を訊ねたら納得して去った。...
View Article雪巌祖欽のアートマン
◎坐禅のバリエーション 坐り方をいろいろと験してみると言っても、実際にどのようにしたのか、実例を挙げてもらわないとイメージは湧かないものだ。まして投げた小石が竹に当たってカーンという音を聞いて悟ったとか、婆さんにしたたかにほうきで殴られて悟ったなどと言っても、それまでにどのようにしてそうなったのか知らないと、「真理は日常生活に潜む」などという誤解をしがちなものである。...
View Articleクリシュナムルティの末期の一句
◎坐禅をしない公案禅みたいな クリシュナムルティは、日本を訪れたことはないと聞いたことがあるが、正確にはその死の直前にインドからロスへ飛行機で向かう途次、東京で1時間のトランジットの滞在を行なったことがある。 だからといって、誰に会うでもなかったので、何も起こらなかったということろだろう。...
View Article古神道のステップ
◎古神道のステップ 明治の古神道家本田親徳の流れをくむ出口王仁三郎のステップは四段。それなりに意識の深化のレベルで区分していると見れないことはない。 1.幽之幽 無形、無声。無限絶対、無始無終の宇宙の大元霊で、世間一般でいう神とはこれ。古事記では、天御中主神と奉称し、並びて高皇産霊、神皇産霊の二霊を合一し、三神即一神。独神而隠身也 2.幽之顕...
View Article三神系
◎天之御中主大神か天照大神か 出口王仁三郎の古神道体系の主軸は三神系。その説明の中で、なぜ伝統的神道では天照大神を第一とするかについて、ヒントがあった。これはなぜ天之御中主大神を第一としないかという疑問でもある。...
View Article人間の最終ステップ
◎九分九厘まで 昭和の大クンダリーニ・ヨーギ、出口王仁三郎の一言。 『九分九厘までは神様がつれて行かれるが、岸は人間が登らねばならない』 (新月の光(上巻)/木庭次守編/八幡書店P219から引用) 出口王仁三郎は36回の転生を繰り返したと語る。この地球での転生パックツアーでは、36回コースを選んで出発したわけだ。そのフィナーレか、それに近い1回が前回の人生。...
View Article非常時日本の風景
◎天地(あめつち)の自然の力に抗すべき 何物もなしと省みるべし これは、霊界物語最終巻第81巻の余白歌(出口王仁三郎)で、青森での昭和神聖会発会式の前後を詠んだもの。詠んだ日は、昭和九年十二月五日。...
View Article聖霊の話
◎二位一体 キリスト教では、父なる神と子なるイエス・キリストがいて、さらに聖霊があって、三つとも神である。しかし三つの神々ではなく、唯一の神を主張すると同時に他の多くの神々を否定する。この「他の多くの神々」にあたる部分の大方が太母なのだが、これを否定していることで、三位一体と自称しているが実質は二位一体と評価されることがある(ケン・ウィルバーも二位一体と評す)。...
View Article記憶としての神
◎有って有る者 あなたは、神のことを記憶していますか? いいえですって。神のことを記憶していなければ、神のことを思い出すことはないのでしょうか? 神って記憶の対象なのでしょうか。思い出の中の登場人物の一人なのでしょうか。 それでは、聖書の出エジプト記3-14~16で 『神はモーセに言われた、「わたしは、有って有る者」。...
View Articleイグナティウス・ロヨラの神秘体験
イグナティウス・ロヨラの神秘体験 イグナティウス・ロヨラの三位一体の神秘体験は、神とアートマンを含む世界全体である。 ロヨラは、マンレサの修道院の階段で、聖母の聖務日課を唱えていた時に...
View Articleブラフマンの謎
◎ブラフマンは有の側 このブログでは、第七身体を代表する名詞として、ブラフマンを当ててきたが、過去記事を見直す中で、気が付いたのだが、第七身体を代表する名詞としては、ニルヴァーナに変えることにする。 理由は、OSHOバグワンの七つの身体論の次のような部分にある。...
View Article日の老いたる者の言葉
◎音楽の効用 言葉は、音であり、響きである。トーラーの言葉から 『ラビ・シモンが次の聖書の文を引いて語りはじめた。「わたしはわが言葉をあなたの口に置く」(イザヤ書五一-一六) 至聖がトーラーに取り組む人たちの声を聞き給うように、人間は日夜トーラーに励まねばならない。だがトーラーに励む者らによって新しくされる一語一語から至聖は天の空間を作り出す。わたしたちはこのように学んだ。...
View Article脊柱の33
◎神と人とをつなぐリンク 33は大いなる数字である。 まず脊柱の骨の数が33個(頸椎7、胸椎12、腰椎5、仙骨5、尾骨4で計33)。 脊柱はクンダリーニの入れ物であり、古代の神秘学文献では、蛇、宇宙樹、王笏、杖、らせん階段などのシンボルとして現れる。 観世音菩薩は、三十三の姿に変身して現れ、フリーメーソンは三十三位階を用いる。キリストの生涯は三十三年間。...
View Article原人間アントロポス
◎全体的な人間になる 心理学者ユングは、その著書「哲学の木」において、 1.水銀であるメルクリウスは、全体的な性質と個別的な性質を有する。この全体的な側が永遠の水=神の水。 2.神の水は、いつもさっさと逃げ去るが、万物のうちに偏在している。つまり全体的なものは、どんなものにもバラバラに含まれる。(C.G.ユング/哲学の木/創元社P105)...
View Article天動説と地動説
◎神と自我の位置逆転 天動説の天球図は、17世紀のドイツの古代エジプト学者キルヒャーの次の図案のようなものである。中心に地球があり、地球から近い順に惑星が配列されている。月、金星、水星、太陽、火星、木星、土星。...
View Articleソーマに酩酊した者の独白
◎ソーマ・ヨーガ(薬物冥想) リグ・ベーダのソーマに酩酊した者の独白から。薬物経由でもアートマンはある。 1.かく実に、かくわが意向はあり、願わくは、牛と馬とを勝ち得んことを。---真実、我はソーマを飲めり。 2.前方へ揺り動かす風のごとく、飲みたる〔ソーマは〕、われを上方へおし上げたり。-真実、われは・・・・・・・・・。...
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