禅と大脱身
◎乾いた道あるいは近道 禅でもヨーガでいうところの大脱身は意識せられている。 道元の師匠たる天童如浄も道元もその体験とはいえない体験のことを身心脱落と言う。 そして唐代の禅僧鏡清和尚の 『出身は猶お易かるべきも、脱体に道(い)うことは還って難し(出身猶可易、脱体道還難)』。 これは、大脱身そのものはまだ簡単だが、大脱身のことを言葉で説明するのはかえって難しいということ。...
View Article関山慧玄のおもてなし
◎フランクでいまここ 臨済宗といえば、応、燈、関の三代(大応、大燈、関山)だが、関山の事績は見えにくい。 戦国末期の塵塚物語から。 天龍寺の夢窓国師が嵯峨より京都に入り、妙心寺の前を通りかかった。夢窓が、人をやって関山がいるかどうか尋ねさせると、折よく関山は居て、破れ衣を整えて走って出て来て、「まずは寺にお入りなさいませ」とて、自ら案内して住坊に入った。...
View Article神風ぞ吹く
◎クリスタル・ピープルへ 10月後半に入ってから2度目の台風は勢力も1回目よりは弱く、雨も前のほどではなかったが、風は吹き返しもなかなかの強さである。 この夏は海水面の温度が上がり、地表の気温は下がる地域が多かったものの平均気温は着実に上昇している。...
View Article何ものをも所有しないこと
◎過去世、現世、来世を知る パタンジャリのヨーガ・スートラ2.39から。 『2.39修行者が、所有しないことを確立したならば、過去世、現世、来世を知ることができる』 OSHOバグワンは、この部分について、こんなたとえ話をしている((”Yoga: The Alpha and the Omega, Vol 6から))。...
View Article悟って後、俗世を生きる
◎人間ドラマを演ずることのできない人 悟っていない俗人が、俗世を生きるのは、大変だし、全身全霊の努力も要求される。だが、悟った人でも、煩悩まみれの俗世を生きるのに耐え得る人とそうでない人がいる。 悟った人から見れば、悟った人も悟っていない人も同じだし、まして悟った人同士の差については、婉曲にしか表現しないので、わかりにくい。...
View Article人間が現界へ生れて来る目的
◎善徳を積み、完全なる霊体を形成す 七つの身体論とか、個と全体の逆転論などばかりやっていると、愛なき無機質の世界観に偏りがちである。 大クンダリーニ・ヨーギ出口王仁三郎は、教団を抱えていたこともあるが、天国的に生きるというのを前面に押し出して教団経営をやった。 人が生きるにも修行をするにも、人として、天国的に生きるのは当たり前である。 諸悪莫作 衆善奉行。...
View Article過剰な兵器は文明そのものを破壊する
◎人々は食い、飲み、めとり、とつぎなどしていた 水爆で破壊される市街地は10キロ四方にすぎないなどというばかげた新聞記事まで見かけるようになった。 実際に水爆が用いられたら、下手をすれば日本列島は一瞬にして吹き飛ぶのだが、そんなことは当たり前だし、物騒だからマスコミもなぜか言わない。...
View Articleピラミッドで発見された新空洞
◎アトランティス科学の粋 日本の名古屋大や筑波大の研究者が参加した宇宙線を利用したギザのピラミッド内部の透視プロジェクト(The ScanPyramids team)で、ピラミッドの中に未知の巨大空洞があることが発見された。...
View Articleすべての生きものを救いましょう
◎四弘誓願 仏教で言わされる四つの誓い。これを白隠は、とても強調した。ただムームーと坐っているだけでは、見性しただけでは、人は悪にも善にも転ぶ。 イエスですら荒野の40日修行で、ファイナル・ステージ直前に悪魔の誘惑を受け、釈迦もマーラ(悪魔)の誘惑を何回も受けた。不退転となる直前、九分九厘の時は、フィフティーフィフティなので、その時にこうしたものが役に立つことを知っていたのだろう。...
View Article一番のおかげ
◎求道者にはなれないタイプ 出口王仁三郎は、神戸の空襲で焼け出された人に、「今度は体ひとつあったら一番のおかげ」と説いた(新月の光(下)/木庭次守 P319)。 「今度」は、これからである。 澁澤龍彦の随筆集を読んでいる。彼は、昭和20年には東京北区中里に住んでいて、空襲で焼け出された。...
View Article適切に学ぶ
◎情報が氾濫、混乱、錯綜している時代 何でも情報公開の時代である。その一方で何でも情報操作の時代であって、福島の原発事故などでマスコミ発表や政府発表がそのまま信じられるものではないことも知った。 この結果、人々は何が正しくて、何が正しくないかわからないまでに発達した。...
View Article意味がないもの、意味があるものの違いを超える
◎愛と自由 愛の世界では、純真さが求められる。それは高さである。 それは、只管打坐の道行きである。 ところが修道院や禅堂で悟りすました奴だって、腐乱死体を見たり、ドラッグでへろへろにラリっている人を見たり、男同士で抱き合っているのを見たり、ごろつきにからまれたりしたら、おろおろするだけだ。これが、愛の世界であり、高さの性質。...
View Article意味がないもの、意味があるものの違いを超える-2
◎社会性と人間の本質のズレ 現代人のズレが極点に至った原因は、 社会性の頂点にいる人でもみじめで情けない自分に変わりはないという状態を放置していること。 アメリカ大統領でも 日本の総理大臣でも 資産何兆円のスーパーリッチでも 世界を股にかけるスーパーモデルでも フォロアー何十万を抱えるアイドルでも スポーツ界のスーパーヒーローでも ノーベル賞クラスの大科学者でも 谷崎、三島をしのぐ文豪でも...
View Article意味がないもの、意味があるものの違いを超える-3
◎禅と乾いた道 白隠は、大悟数回小悟数知れずなどと数えている。いつ意味がないもの、意味があるものの違いを区別しなくなったのか。その都度大汗三斗も噴出して、嬉しさ、すばらしさの極みを感じたのだろうか。 大悟は、人間にとって一回で十分だが、何回もやるには、相当な準備がいる。白隠は、本人はその当座は大悟だと思っていたが、後に大悟などではなかったというのがばれるシーンもいくつかある。...
View Article少年宗峰妙超、ペットの子犬を難詰する
◎播磨の悪童 今の日本の禅は、曹洞宗と臨済宗に分かれ、臨済の方は大燈国師宗峰妙超の系流だけが残っている。 宗峰妙超は、大徳寺の開山だけあって、日本人の精神性に相当に大きな影響を残してきた。 少年宗峰妙超は、ある時子犬を綱でつないで引っ張ったが、犬はついてこようとせず、一歩も動かなかった。...
View Article天門開闔して、能く雌たらんか
◎サハスラーラを開いてアートマン 「天門開闔(かいこう)して、能く雌たらんか。」は、老子第十章にある。 天門は、サハスラーラ・チャクラでこれを開いて、雌は、玄牝のイメージなので、アートマンたる第六身体。禅の十牛図なら牛にあたる。...
View Article泉鏡花の戯曲『山吹』
◎不条理と暗黒 澁澤龍彦と三島由紀夫が、泉鏡花の戯曲『山吹』を激賞していたので読んでみた。 修善寺が舞台。60台後半の酔ってしわくちゃの薄汚れた老人形遣いが若い頃にさる女性に対して犯した罪を苦にしている。25歳の婚家でさんざんにいじめられている婦人が東京から家出してきているのに修善寺で偶然出会い、彼女に請うて、山のくぼ地で、したたかに流血されながらも傘や棒で打たれ続けるという話。...
View Article第二次世界大戦の秘密
◎魔訶迦葉の拈華微笑 OSHOバグワンの未知への扉に第二次世界大戦の秘密が書いてある。 曰く、インドには、アショーカ王以来の九秘密会という秘教グループがあって、地球のバランサーをやっていた。ヒトラーがチャネラーであることは知られているが、その背後にいたのが、九秘密会。 九秘密会の構想は、ヒトラーをして世界を武力統一せしめ、その後に仏教的宗教世界を地球全体に展開しようとするということ。...
View Article趙州、地獄に堕ちる
◎真っ先に入る 趙州は唐末の禅僧、棒で殴らず、喝を用いず、言葉だけでやった。だが、発生し来る精神異常者用に棒くらいは置いていたかもしれない。 崔朗中という地方政府高官が、趙州に質問した。 「あなたのような大善知識でも、地獄に堕ちることがありましょうか」 趙州「それはある。自分は真っ先に入る。」 崔朗中「どうしてそんなことがありましょうか」...
View Article女性であるデメリットを免れる
◎永久に苦海に沈む 趙州は、乾いていない。 ある時、おばさんが趙州に尋ねた。 「女性は五障の身だと申しますが、それはどうすれば免れることができましょうか」 趙州「誰もかれもみんな極楽に行ってくれ。あなただけは永久に苦海に沈むように。」と。 耳ざわりの良いことを期待していた彼女は驚いたことだろう。 いまこことは、そういうものだ。外にあるものを探し求めない。 極まらなければ反転しない。
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