神人合一の実感を語る-7
◎一瞬間を梅毒病みの娼婦として生き ダンテス・ダイジ-『今でない今、ここでないここで』の続き。 『私は一瞬間を聖クリシュナとして生き 一瞬間を梅毒病みの娼婦として生きた 梅毒の苦痛が陣痛と出産の苦痛であり 性愛の享楽が聖者の清らかな解脱である そしてすべては去ることもなく去り また来ることもなく 新しい生涯が来る 止まることのない生々流転よ 私は生々流転のあったためしのないここで...
View Article宮本武蔵 独行道
◎仏神は貴し仏神をたのまず 宮本武蔵は一剣に依る求道者。以下が晩年の独行道。 一、世々の道をそむく事なし 一、身にたのしみをたくまず 一、よろずに依枯(えこ)の心なし 一、身をあさく思ひ、世をふかく思ふ 一、一生の間よくしん(欲心)思わず 一、我事において後悔をせず 一、善悪に他をねたむ心なし 一、いずれの道にもわかれをかなしまず 一、自他共にうらみかこつ心なし...
View Article眼(まなこ)もし睡らずんば
◎宗派によらない体験とは言えない体験 禅の達磨から三人目の第三祖僧さんが、体験とは言えない体験を説く。 『眼(まなこ)もし睡らずんば 諸夢 自ずから除く 心もし異ならずんば 万法一如なり』 (信心銘) 大意:眼が眠らなければ、様々な夢は自ずと見ない。 心がもし変わらず同じならば、すべての存在は一つである。 熟眠中でも眠らなければというのは、インドでも冥想の重要テーマだった。...
View Article分別対立のない真如の世界への共感
◎イエスが弟子の足を洗う 『真如法界 他なく自なし 急に相応せんと要(ほっ)せば 唯だ不二と言うのみ』 (信心銘) 大意:分別対立のない真如の世界には、他もなく自分もない。 それをバッチリと一言で言うならば、不二と言うしかない。...
View Article永遠の0とホタル
◎特攻映画の発想 永遠の0は、岡田准一と三浦春馬をメインキャストとした特攻映画。テーマは特攻隊員でありながら家族のために生還することを目的とした人物の話。 ホタルは、高倉健主演の特攻映画。戦友であった朝鮮半島出身者の遺品を朝鮮在の遺族に持っていく話。 とちらの戦死者とも、「天皇陛下万歳」と叫んでは散っていかなかったらしい、やや厭戦的な映画に仕上がっている。...
View Articleなりきるためには人間であることを否定する練習
◎このまま死んでもいいと思って坐っていた クンダリーニ・ヨーギ本山博の述懐。 『本当に毎日毎日真剣勝負でした。もうこのまま死んでもいいと思って坐っていましたからね。実際のところ、真剣勝負でないような瞑想なんて何の意味もないんですよ。心は落ち着くかもしれないけど、霊的な成長なんてできない。...
View Articleドン・ファンの熟眠中に夢を見ない
◎死の瞬間に意識を清明に ヤキ・インディアンのソーマ・ヨーギのドン・ファンは、まず世界全体としてのイーグルがあり、それの全体的あるいは部分的現れとして覚者グループであるナワールがある。仏教で言えばイーグルは法身、ナワールは、報身のような感じ。...
View Article人間は死の世界から出でて死の世界に帰って行く
◎死を体験する 一般に死を体験するのは、臨死体験しかない。ところが広義のクンダリーニ・ヨーギ達は死の世界を体験することが重要だと説く。これに対し、禅、只管打坐型の覚者では、せいぜいが生と死に差はないと説く程度。まるっと見ると死の世界の一部が生の世界。 クンダリーニ・ヨーギ達の説とは、次のようなもの。 荘子斉物論篇:...
View Article道の行われない国で修行する
◎聖天子の堯が華に視察に行く 昔、聖天子の堯が華という所に視察に行ったときのこと。華の関守が堯のために、「たくさんの男の子が授かりますように、富に恵まれますように、長寿に恵まれますように」と祈ったが、堯はこれを受けようとしない。関守がその理由を尋ねたところ堯はこう答えたという。...
View Article雷電の激しき時と地震の揺る時
◎神に祈らぬはなし 悪石島を始め、北は北海道から全国的に地震は揺れ、空に火球が飛ぶ気になる時期。悪石島が鳴っているのだ。 出口王仁三郎の祈りをテーマとした十三首。出口王仁三郎は、生長の家、世界救世教など戦後の成功した神道系宗教教団の源流に当たるが、日本では一貫してタブーとして圧殺され続けている印象。 『眼に見えぬ己(おの)が心霊(こころ)を眼に見えぬ神にささぐる幽斎(ゆうさい)の道...
View Articleクリシュナムルティの最後の講話
◎生の本源は名がない クリシュナムルティの最後の講話は、1986年インドのマドラスで行われた。 クリシュナムルティは、自ら「生の本源」というお題を振ったところ、それについて聴衆の一人との質疑になった。 『k なぜそれを尋ねるのでしょうか。なぜなら、私が尋ねたからですか。おわかりですか、またもやあなたは…すみません。どんな叙述も合わないし、けっして本源を叙述できません。本源は名がないのです。...
View Article夢窓国師の大悟-2
◎香厳が石が瓦礫に当たった音で悟ったように 夢窓国師は、常州の臼庭(北茨城市)の小庵で、五月の末、庭前の木の下で一日坐禅をして、夜も更けたので、疲れて庵に上がって来た。 そこで壁のないところを壁と思って身をもたれかけたら倒れた。そこで大悟して、思わず失笑した。 『多年、地を掘って青天を覓(もと)む 添え得たり重々礙膺(げよう)の物 一夜、暗中に碌甎(ろくせん)を飃(あ)げ...
View Article夢窓国師の和歌三首
◎雲よりもたかきところに出て見よ 夢窓国師の、美濃の守護土岐頼貞との和歌贈答の中から。 雲よりもたかきところに出て見よ しばしも月にへだてあるやと 世の憂さを慰むといふ言の葉に 身を忘れざる程ぞしらるる 身をかくす庵をよそにたづねつる 心のおくに山はありけり...
View Article鳩摩羅什密室で王女を犯す
◎枯木寒巌に倚(よ)る 三冬暖気無し 鳩摩羅什(くまらじゅう、クマーラジーヴァ、344年 - 413年)は、西域の仏教の盛んな亀茲国(クチャ)に貴族として生まれた。前秦の呂光が亀茲国を攻略、鳩摩羅什は彼の捕虜となった。...
View Article現代人の悟りのための処方箋
◎最初の仮説 これだけ物質科学も心理学も宗教学も進歩発展したというのに、一向に大悟覚醒した人物が増えて来ないのには、過去のやり方に何か欠ける点があったのだろうと思う。 1980年代から1990年代にかけて、クリシュナムルティ、OSHOバグワン、ダンテス・ダイジと巨星がこの世を去ってから、爾後の30年はいわば暗黒時代の様相を呈している。...
View Articleインドで仏教が滅びたわけ
◎人間が変わっていくのに合わせ、言葉も変わり、窮極へのアプローチも変わる 中村元が現代語訳大乗仏典6 密教経典他/東京書籍P141以降で、「インドで仏教が滅びたわけ」を述べている。その理由は、民衆は呪術迷信を信じていたのに、教団は哲学論議に没頭したこと、支援してくれる上層階級が没落したこと、民衆に接近するために卑猥なタントリズムを説くようになったことなどを挙げている。...
View Articleわびと飢え
◎ダンテス・ダイジと片岡山の貴人 ダンテス・ダイジが沖縄での修行中か何かに、托鉢での食料も金もなくなり、飢えて元気もなくなり道端で横になるシーンがある。 一方で聖徳太子が片岡山で、大悟したらしき貴人が飢えと寒さで道端で動けなくなっており、これを見た聖徳太子がわが衣をかけてあげ、...
View Article